今年の年末年始は、空気は冷たいものの良いお天気が続き気持ちも晴れやかになりますね。
私もお正月といえば・・の、お節料理を何とか盛り付け、日本の伝統的なお正月の雰囲気を味わっています。
皆さまは、どんな年始をお迎えでしょうか。
在園の方々にはご挨拶と、記念の園児用Tシャツをお配りさせていただきましたが、昨年は現在の保育園の前身、「保育ルームkidneyBean」の設立から20周年を迎えました。
20年、多くの月日が経ちましたが、感覚としてはあっという間でもあったように思います。
子どもたちにとって、より良い環境を築くべく、認証園へ、そして認可園へと拡充していくことを実現できたことで、現在の形が整ってきたのですが、その反面、皆様の実情に柔軟にお応えできる自由度に制限が加わってしまったことは否めません。
認可外保育園が全て自由であるわけではないのですが、「制度」の壁は認可保育園より低いのが実際です。(保育園ごとの裁量がかなり大きいという意味で)
しかし、経済的には行政の補助が薄いので、認可外保育園ではその経営を成り立たせていき、安全に保育を行うために保護者、利用者の方々への負担をお願いすることが必須となります。
この両方を経験し、20年の歩みを振り返りながら、改めて国レベルの乳幼児保育、教育への本格的な整備や補助の必要性を感じます。
政府の政策が様々に出されてきたさ中ですが、それが良い形で遂行されていくことを当事者である私たちと保護者の皆さんで見守り、様々な機会を通じて要望を届けられるといいなと思います。
社会が多様性の尊重を受け入れ、この地球規模の持続可能性の実現に向け手を取り、互いの利益を保証しあいながら協同していこうとするならば、その持続する社会の担い手となる子どもたちの育ちに、大きな枠組みでの施策を実行してほしと切実に願います。
保育園の1年を振り返りますと、ひと時のコロナ感染、緊急事態宣言下のような生活面での制限が緩和され、感染対策をしながら保護者の方々にもご参加いただける行事が、工夫しつつ実現できたことは本当に良かったと思います。
家族の人が来るということ、一緒に楽しむことや、日ごろの自分たちの活動を見てもらえるということが、子どもにとっては大きなモチベーションであり、少し恥ずかしいけれど誇らしくもあるという心情をもちながら活動するという貴重な経験になります。
そうした1つ1つの機会が積み重なって、その子なりの見通しや、自分なりの心の準備をしていけるようになるのですから、行事が単なる「お楽しみ」だけではなく、行事当日に至るまでの経過に目的やモチベーションが湧いてくることが子どもにとって大事なことです。
その目的の大きな1つが、自分の活動を家族の人に見てもらえるということでもあります。
そのような意味でも、先日クリスマスの日に行った「アートと表現の会」では、子どもたちの日々の活動の経過やどんなことを体験しながら作ったのか、などを見ていただけたのではないかと思います。
今年も「日常にある学びや発見」が子ども自身の好奇心の芽を育て、一人一人の子どもが自分の興味や好きなことにたくさん出会えるような保育を目指していきたいと思います。
毎日の活動を通じて、子どもたちが個々の個性や特徴を存分に発揮し、それを互いに認め合うような関係性の育ちを私たち大人が援助できるように、気持ちを新たに努めてまいりたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
園長 日下部樹江