月11日(金)にお話し会を行いました。
2月に休園があったため、久しぶりのお話し会です。子ども達は何日も前から「あと〇回寝たらお話し会だね」「どんなお話かなぁ?」ととても楽しみにしてくれていたようです。
今回のお話は、わざわざ材料を買って作るのではなく、いらなくなったストローや身近に使えるものを利用して作製したペープサートにて演じた『なつみはなんにでもなれる!』です。
このお話を通して、自分が想像したものを身体や道具を使って表現するということを楽しみ、主人公のなつみの気持ちに同化して物語を楽しむということを感じてほしいと、このお話を子ども達に届けました。
内容としては、主人公のなつみがおかあさんに「おかあさん!いいことおもいついたよ!」「なつみがなにかの真似をして、それをおかあさんが当てるゲームだよ!」と真似っこゲームを提案します。
おかあさんは「え~、もう寝る時間なんですけど~。おかあさんが当たらなくても怒らない?」と確認をして、しぶしぶゲームが始まりました。
なつみは全身を使い、さらに部屋にある毛布や椅子、洗濯カゴなどの道具を駆使して表現しながら、一生懸命に何かの真似をしますが・・・、おかあさんは全然当てることができません。さて、それからどうなるのかな?
お話が始まると、子ども達はすぐになつみの気持ちになったようで、お話の中のお母さんがなかなか答えらず、当てることができないなつみ扮する真似っこゲームを「わかった!おにぎり!」「富士山だよ!」「赤ちゃんだ!」と意外にも簡単に当てていました。
子ども達は、すぐになつみちゃんが何になっているか、扮装やポーズを見ただけでわかるという、子どもの共感性のすごさを私たち大人は目の当たりにしました!
お話の中のおかあさんが、なんとか当てようとしている様子を見て「おかあさん、絶対当たらないよ~!」と物語を予想しながら見る子も。
最後に眠くなったなつみがゲームの途中で寝てしまったときも「あ、寝ちゃったよ!」
とすぐに気付いていた子ども達でした。
なつみとおかあさんのやりとりを見て、聞いて、きっと自分と普段のお母さんとのやりとりを思い起こしたり、自分の経験と物語を重ねて楽しんでいたりするのではないかと思います。
お話し会のあとは、さっそく保育室にあるものを使って「これな~んだ?」と物語と同じように、作ったものや見立てているものを友達や先生と真似っこゲームを楽しんでいた子ども達でした!
また2歳児さんでは、今回の内容は食育のお話ではないのですが、なつみが見立てた「お母さんのゆですぎたブロッコリー」から、何か感じ取ったようで、普段全く食べなかったブロッコリーを食べた子がいたとか・・・!
今回のお話し会は、もうひとつお楽しみが・・・!大人の合奏とのコラボで歌うという試みです。
大人が持っている楽器に「これ何か知ってる?」「ピアニカ!」「カホン!」「これはなあに?」と子ども達は様々な楽器をすでに知っていて、興味津々です。
カホン・アコーディオン・鍵盤ハーモニカ・リコーダー・ギターが用意してあり、先生たちが楽器を使って『さんぽ』を演奏しました。
初の試みでもあり、子ども達も歌いたくて仕方ない様子でしたが、前奏で子どもたちも歌をフライング・・・改めて仕切り直しで演奏と歌を行いました。
今年度の最後のお話し会で演奏するために、先生たちはこっそり練習を重ねていたのです。つたない演奏ではありましたが、こどもたちは「♪あるこ~あるこ~わたしはげんき~」と元気いっぱいに歌を歌って盛り上がってくれました。みんなで歌ったり、合わせることの楽しさを味わってもらえたのではないでしょうか。
年長児さんは卒園式で合奏もするので、イメージやモチベーションのきっかけになってくれたらと思います。
今年度のお話し会は今回で最後となります。
年間を通して、子ども達はさまざまな物語に出会い、いろいろなことを感じたり、遊びになったり、ファンタジーの世界が広がるか機会となる継続的な活動となったのではないでしょうか。
子ども達それぞれの心に残ったお話がきっとあるのではないかと思います。
文学は、実際の体験ではないけれど、様々な人の気持ちや出来事を経験できることの文学の力ってすごい、ということを大人の自分たちが一番感じた一年でした。
来年度も楽しいお話し会を通じて、子ども達に文学の面白さなど色々なことを伝えていきたいです!