食育懇談会🥄

2024年11月21日 Kids Encourage 0 Comments

 11月16日(金)に食育懇談会が行われ、17名の保護者の方が参加してくださいました。

今回のテーマは「食事における発達段階と子どもに育てたいこと」です。

「食育」といっても、離乳食を食べている0歳の子と、自立して自分で食べることができる段階になった子とでは、子どもに必要な援助が違うため、大人の関りや援助する内容も変わります。

その発達段階の違いをふまえて、保育園での食事を保育者や調理を担う給食室がどのように考えているのか、具体的な実践をどのようにしているのかをお伝えできるように企画しました。

 はじめに、栄養士の高田先生より給食室が安全でおいしい給食を提供するために、日頃から取り組んでいることについてお話させていただきました。

子ども達に様々な食材や料理を知ってもらいたいので、季節に応じて旬の食材を取り入れたメニューを考えていること、1か月の中で2週間ごとに同じ献立を出すことで、食べにくかったものは調理法や切り方を変え、工夫を加えた修正をすることで、より子ども達がおいしく食べられるように配慮していることなどが話されました。

 具体的には、「子どもがどのように食べているか」、という実態を知るために、給食アンケートが常時用意され、保育者がその日の子どもの食べ方や保育者自身が食べた感想を記入し、給食室と保育士者が内容、調理法の共有をして、その献立が子どもにとってどうだったのかを把握するようにしているということが伝えられました。

また保護者の方へは、給食たよりの中でおすすめメニューを紹介したり、ホームページ内のブログで給食の写真をご覧いただけるようにしながら、保育園の給食について知ってもらえるような取り組みをしているという話がありました。

乳児期は育児担当制を取り入れているため、担当者がその子が自分で行為したい欲求を尊重しながらも、その子が必要な量を気持ちよく食べられるように、その子の機能的な様子やペースを見極めながら援助するようにしています。

1歳半過ぎる時期から食べ物の「好き嫌い」が出始めるなども多いですが、味覚が育ち、味の違いを感じられるようになってきて自分の好みが理解できるという成長の証でもあるため、どのクラスでも「少し食べてみる?」と勧めながら、自分自身で「食べる、食べない」ということを子ども自身が決められるよう援助しています。

 2歳児あんず組では、「食具(スプーン)を使って自分で食べること」「苦手なものも一口は試してみようとすること」の二つを大きな目標として食事の援助をしているということで、多少こぼしながらも「自分で食べる意欲」を尊重する関わりを心がけているという話がされました。                

 保育者は「苦手なものも食べてみよう」と勧めながら、子どもが自分で決めることを大事にし、それと同時にもしその時に食べられなくても、大人や友だちの感想を聞いたり絵本を通して食材や味に興味を持てるような働きかけを食事の場面以外にもしているなど、具体的な育児内容をお伝えさせていただきました。

くるみ組(ハート)では、自己行為が安定し、保育者の介助をほぼ必要とせずに食事ができるようになり、子ども同士が会話をしながら、皆で食べることを楽しんで食事をする姿に、子どもたちの成長を感じているという紹介がありました。

 さらに、遊びの中で野菜や果物のカードで遊んだり、会話の中で食べ物の話をしたりするなど、食に対する関心も強くなりつつある姿が紹介されました。

 くるみ組(ダイヤ・クローバー)では、これまでの食事の経験を踏まえ、自分の好みの味付けや食べ方を子ども自身が認識してきているので、保育園では食べる量を自分で決められるように大人が一人ひとりと食べたい量や食べられる量を確認しながら配膳をしていること。また、子どもが自分でできることが増え、セルフサービスで食事をしていることが紹介されました。                            

 個々の子どもの社会性も広がり、食べることと他者と関わる社交性がリンクしてきた時期なので、子どもたちも食べながらのコミュニケーションの場面がとても楽しい時間になっているので、会話をすることと食べることの2つの行為のバランスを調整して食べることを意識できるように、保育者も関わるようにしていることなどが話されました。

汁物に調理する前の、出汁を試飲していただきました。

皆さん「美味しい!」との声。

レシピもお配りしたので、ぜひご家庭でもやってみてくださいね。

VTRを見ながら、出汁の試飲もしてもらいました。

 給食では毎日出汁を取ることにより、うまみがたくさんあるため塩分を少なめにしてもおいしい汁物ができること、子ども達も好んで飲む子が多いことなどをお伝えしながら試飲して頂きました。味をつけていなくてもおいしいと、どの方もあっという間に飲み干されていました。

 このように保育者からの説明を聞いたり、VTRで子ども達の食事の様子を見てもらったことを元に懇談が行われ、皆さん積極的にご感想や家庭での様子などをお話ししてくださり、保育園での食事場面にも具体的な質問もしていただきました。

保護者の方からは、「乳児クラスでタオルを使っている理由や食事をするうえで適切な机の高さは?」など、お家でのお子さんの姿に対しての援助や対応の仕方などを含め、様々なことがお話しされました。

 担任からも「園ではどう援助しているか、その子がどんな姿か」ということや、「子どもの現状の発達に対して大人がどのように見ていくか」などの具体的な見極めポイントについても園長からお話をさせていただきました。

 今回の懇談会では、園での様子とお家での姿を共有しながら “こどもにとっての食事” ということを知り、考える機会にできたのではないかと思います。

 ご参加くださった保護者の皆様、ありがとうございました。