今年度2回目のお話会では「グリーンマントのピーマンマン」を上演しました。
朝から「きょうはおはなしかいだよね」と楽しみに登園した子どもたち。
お話し会の会場、スペードの部屋で着席し「なんのおはなしだろうね?」と、コソコソ声が。
「お祭りのお話じゃない?」と園祭りが近いことから想像し、予測する姿もありました。

物語が始まると、嫌われ者のピーマンが「なんで僕のこと嫌いなの?」と泣き出します。その言葉に、さっきまで笑っていた子も思わずしんとなり、気持ちを寄せるように表情が変わっていきました。


「ピーマンきらい」と聞いて現れた“バイキン”。
「野菜キライなやつはお腹をいたくしてやるぞ!」と、不気味な笑顔で登場すると身に覚えのある子どもたちは、ちょっと戸惑い、ドキドキしてきた様子。反応が思ったより静かでした。(笑)


「子どもたちを助けなきゃ!」と、さっそうと現れたピーマンマン。
「僕はビタミンや抗酸化作用があるから、バイキンをやっつけるよ!」と、戦いを挑みます。
子どもたちからは、「がんばれー!」とピーマンマンを応援する声が響きました。




ピーマンマンの必殺技、クサクサビーム!やトルネードビームは子どもたちにも大うけ。ピーマンの苦みや臭みは、実は強さの元なんだって伝わったようです。
見事にバイキンをやっつけてくれたピーマンマンに、「これからはピーマン食べてみるね!」と、子ども役の千帆ちゃんとまゆちゃんが言うと、見ていた子どもたちの頭もうんうんとうなずいているようでした。

クライマックスでは実際に「ピーマンの塩昆布炒め」を口にする場面。子どもたちは目を丸くして、「本当に食べるのかな?」と、かたずを飲んで見つめていました。


その様子を陰から見て、ピーマンマン
その日の給食では、幼児の子どもたちには特別に劇で食べていたピーマンの塩昆布炒めを、給食の先生が作って用意してくれました。
おうちでも給食でも普段食べない子が思い切って挑戦する姿がありました。









味は苦手でも「やってみよう」と自分で決めて行動できたことは大きな成長です。
今回のお話し会を保育者劇としてやるにあたって、「バイキンの怖さが強すぎないように」「ピーマンマンの活躍で、最後は安心して楽しめるように」と原作の絵本をもとにしながら台本を作り、何度も練習を重ねてきました。
子どもたちが物語に入り込み、気持ちを動かし、行動につなげる瞬間に立ち会えたことは、私たちにとっても大きな喜びとなりました。

