3月入り,子どもたちは机上の遊びにも興味を示す姿が多くなりました。
指先を使い、形を合わせたり、向きを試したり、色の分類に気がついたり、自分の「認識」を確認し、広げるように知的な遊びにも面白さを感じているのでしょう。
一方で、個々のそうした遊びをしながらも、これまで以上にお友だちとの関わりも増え、「○○ちゃん遊ぼう」と誘う声も聞こえるようになりました。
誘っているはずが追いかけっこになることもありますが、「やりたいことを分かち合う」かのように、一緒に遊ぶと心地よい相手を自然と見つけているように感じます。


また、最初は個々の子どもがそれぞれの興味によって室内遊び、戸外遊びでも散らばって遊んでいるのですが、お友達が楽しそうにしている様子を見ると、それぞれが自分の興味に合わせて遊びに加わったり、誘われて行ったりと、段々に子ども自身が「誰かと一緒」「共有するともっと楽しい」ことへと意識を向けて互いに動いている様子がうかがえます。




写真でも垣間見えるように、子ども同士がしている遊びにもそれぞれのテーマやストーリーがあるのだと気づきます。大人が見ていてもイメージがわかりやすい遊びが多くなり、また繰り返し相手を変えながら展開していっています。
普段、経験したことが記憶に残り、時間や場面を越えてイメージとして表現できるようになってきた成長のあかしですね。



戸外遊びでは、変わらず元気に身体を動かす遊びが大好きです。
変化したのは、走りまわって粗大運動の満足を満たすという動きだけでなく、吊るされた風船にねらいを定めて叩いたり、並んだものに合わせて自分も友達も一緒に入るなど、状態に自分の側を合わせる機能を意識しながら身体を使うことを自然にするようになっていました。
「こうしたい!」と思っても、モノもヒトも自分が思うようには動かず「うえ~ん!」となることが、とても少なくなってきました。
自分を調整できることは、当たり前ではなくて、こうして生活や遊びを通してその子なりのペースで育っていくのですね。
りんご組からあんず組への進級時期は、赤ちゃん時代から幼児期へとさしかかる発達の転換期でもあります。機能的に何かができるようになることだけでなく、体験からの記憶や情緒を伴う想像に創作が加わった、この時期ならではの非認知能力の発揮、高まりが著しくなっていくことにも注目していきたいと思います。
この時期に、子どもに必要な時間や機会をたくさん持てるように保育を継続して実践していきたいと思います。


