恵方巻作り🏹

 年長のクローバーさんは、節分にちなんでおやつの恵方巻を自分で作りました!

節分行事のひとつとして、恵方巻づくりをするのをとても楽しみにしていました。

最初はクッキングとして「作って食べられる!」という楽しみに気持ちは集中していましたが、だんだんと「なんで節分だと恵方巻食べるの?」「恵方巻って海苔巻き?」と素朴な疑問を口にするようになりました。

 そんな興味に応えるように、「昔ね(平安時代にね)占いやおまじないで、その年の年神様がいる方向を恵方って言って、そちらに向かって何かすると「何事も吉」って、悪いことは消えて、福が来るんだって。節分はちょうど季節が冬から春になる頃だから、その節目に恵方に向かって福を願おうってことみたいだよ。」と、ちょっとしたうんちくをお話ししたりしていました。子どもたちは「あ~、呪術廻戦か~」との反応も! なるほど・・最近のTVアニメにイメージが重なったようです。(笑)

 恵方巻作りの前日には、フェルトの海苔やご飯を使って栄養士の長崎先生に巻きすの使い方を教えてもらい、巻き方の練習もして、期待はますます膨らんでいきました。

 身ずくろいと手洗いを済ませ、3人グループに分かれて本物の海苔、ご飯、なが~いステックきゅうり、錦糸たまご、鮭フレークの具で、昨日練習した通りに海苔の上に具を順番に重ねていきます。

「きゅうり好きだからいっぱい入れよう!」「私はきゅうりは1本でいい。タマゴいっぱいにしよう!」と、自分好みのブレンドにこだわりを見せていました。

「ご飯が多すぎると巻けなくなるから、しゃもじで粒をつぶさないようにそ~っとのばしてね。」と、給食の先生のアドバイスをよく聞きながら、具の量の調節も真剣です。

巻いて巻いて、ギュッギュッ。

と、くりかえし、きれいに巻けました♡

「売ってるのみた~い」と、自画自賛!(笑)

「食べるのもったいないな~」とも。

「じゃ、食べないの?」「まさか!ぜ~んぶ食べる!」ですって。(笑)

巻きす扱いは、とても上手にできましたね。

実食💛

いよいよ恵方巻を実食です。

恵方の意味を何となく学んでいたので、食べるにあたって儀式?があることも知っています。

今年の恵方は東北東。 その方角は、皆が方位を確認できるように、大人が部屋の壁にしっかり「東北東」と張り紙をしておきました。

食べる前にまず、作った恵方巻に願をかけます。

「願い事?呪文?の内容は声に出してはいけません。心の中で、強く強く念じてください。」

と言うと、皆、この通り真剣に念じているのですが、どんなことを願っていたのか本当は聞きたかったなあ。

さあ、念を込めたら東北東を向いて、さらに儀式の決まりごと。

東北東を向きながら、恵方巻を全部、黙って食べきらなければならない、というのです。

「食べ始めたらしゃべっちゃいけないんだって」「手でちぎったりしないでモグモグ食べきるんだよ」

では、いただきま~す。

最後までおしゃべりしないで食べきれるかな?

 

写真の通り、誰一人おしゃべりすることなく、しっかり恵方を向いて食べきることができました。

きっと、皆、福徳に恵まれて良い1年になりますね。💛

もちろん、大人も一緒に美味しく、楽しく子どもたちといただきました。

福わ~うち!

節分👹

日本では伝統行事のひとつでもある節分。

その由来や健康を願いながら行う、「豆まき」が体験できるように各クラスで活動しました。

節分に豆まきをする理由は、「魔の目(まめ)に豆を投げつけて、「魔(ま)を滅(めっ)する」という語呂合わせが由来だと言われています。

子どもたちが好きなわらべうたの語呂合わせにも通じていて、日本の行事らしいなと思います。

魔を滅して「身体も心も丈夫に育ってね!」と、大人も願いを込めて子どもたちと共に節分行事を楽しみました。

いちご組🍓りんご組🍎

いちご、りんご組では「節分という行事に触れてみよう」というねらいを立てて活動しました。

節分と言えば「鬼」です!

まずは「鬼のパンツ」の歌絵本を見て歌を歌いました。1番人気は様々な動物が鬼のパンツを履いている場面で、何度も一緒に歌って楽しみました。

戸外遊びでは風船の鬼を作り、叩く、ジャンプして触る、下をくぐる等の運動遊びをしました。風船の鬼に笑っている顔、怒っている顔、泣いている顔など、様々な表情をつけることで、一部の子ども達の中にあった「怖いもの、悪いもの」といったイメージから少し親しみを持つことができました。室内では鬼を退治するために箱に鬼をつけ、紙つぶてを投げる遊びを行いました。「ねらいを定めて投げる」は身体コントロールを必要とするため難しいのですが、繰り返し挑戦する姿が見られました。投げるのが難しい子は「箱に入れる」を楽しみました。

節分行事当日は年長さんに鬼になってもらい、お部屋に来てもらいました。

年長さん手作りのお面が本格的でとても怖い!!

子ども達は固まる子、隠れる子、泣いている子、勇敢に立ち向かう子等々、個性が出ていました。

最後は鬼さん側が優しく接してくれたので、怖さも消え、みんなで「バイバイ」して鬼とさようならをしました!

あんず組

 あんず・ハート組は、鬼という架空のものがいるのかな?いないのかな?いるならどんな感じかな?と自分なりの鬼を想像してみるということをテーマにし、節分という行事を知ることにつなげたいと考えて活動しました。

まず、子どもたちがイメージをもつきっかけになるよう、絵本を読みました。 

「ももたろう」と「あかたろうの123の345」という2冊です。

ももたろうに出てくるのは言わずと知れた“悪い鬼”ですが、あかたろうは鬼ではあっても、お母さんの帰りを待ちながらいろいろなところに電話をするという、普通の子どもとして描かれています。

 毎日代わる代わるいろいろな子と読みながら、遊びの中で「鬼って何だろう?」と、子どもたちと会話を楽しみました。

「鬼は鬼滅に出てくるよ」「怖い電話がくる」「絵本とかテレビでは見たことあるけど、本当にはいるのかな?」…。

 そんな中、玄関に鬼が飾られ、過去の節分の経験もあり、「保育園にも鬼がくるかも」という話がクラスで持ち上がり、節分への想像はたかまりました。

紙つぶてを入れるバックも、大人が手作りして準備OK!

それと並行して、戸外遊びでは鬼が出てくるあそびもしました。あんず組は鬼の風船をジャンプして叩く運動遊び。ハート組は鬼ごっこ。

これまでもずっと楽しんできたしっぽとりやだるまさんがころんだですが、その中で鬼になった子が「鬼」に変身して、角を生やして追いかける、という様子が見られました。

 鬼退治に向けた製作では、新聞紙を丸めて紙つぶてを子どもたちと作り、「いつくるんだろう?」と話し合いながら期待と不安をもち、節分という日に注目し始めたので、カレンダーに鬼のシールを貼り、それをあと何回寝たら、と、アドベントカレンダーにして大人と確かめる子もいました。

そして当日。あんず組には大きな口が開いた鬼の的が出現。子どもたちに一人ずつバックに入れた紙つぶてを用意しましたが、それは大事に持ったまま(笑)、落ちているものを使って何とかやっつけようとしていました。やっぱりまだ、バックにはいっぱいモノを入れたいお年頃なのだと、大人は2歳児の発達特徴を再認識して笑ってしまいました。

ハート組

 節分までの活動では、あんず組と共に絵本を読んだり、鬼をイメージする活動をして自分なりのイメージをたっぷり蓄えたハート組の子どもたち。

 節分行事の当日は、朝から“きびだんご”をあそびの中で作って食べ「これで強くなったから鬼に負けないぞ!」と鬼退治に張り切っていました。「ぼくは桃太郎」「わたしはサル!やっぱりキジにする!」と何になりきるかも張り切っていました。

そんな戦意高揚したハート組には、クローバー組が怖いお面を被ってやってきました。

ハート組の子どもたちにとっては、イメージ通りの闘いのシーンが現れてテンションは↑↑

 この日のために、自分たちで作った紙つぶてを使って「おにはそと!」と全力で投げて、走って、懸命に退治していました。

もちろん鬼役のクローバー組の子どもたちも懸命に追いかけてくるので、これぞ本気の正統派闘いごっこ!!

アニメやゲームで「闘う」ということを漠然とイメージして、やたらと形だけ「エイ!トオ!」と暴れることとは違い、ストーリーと目的の中に「自分がなりきれる役」を演じる立派な演者です。

勇敢な勇者がたくさんいて、頼もしい限り♡ もちろん鬼役も迫真の演技でした。

走り回りすぎて、なかなか良い写真が撮れませんでした。(大人が体力追い付かず😢)

最後は鬼ヶ島を占拠して勝利???

充実した戦いに心地よい疲れ。WWW(^_^)v

部屋に帰ってから、魔法のお茶(戦った疲れが癒される)福の神にもらったお水(いつものお茶)をおいしそうに飲み干していました。

ダイヤ・クローバー

くるみ組ダイヤ・クローバーの節分行事はこわいようで実は愛嬌のある異形の鬼をテーマにした、「せなけいこ著書の『鬼は外』」の絵本を大人が提供して読み聞かせから始まりました。

絵本に出てくる鬼の様子や、「どんな鬼を知っているか」など、皆の会話を通して、年中長それぞれが鬼や鬼退治のイメージをたっぷり膨らませていきました。

それから節分当日に行う予定の「豆まき・鬼退治」を想定した製作を始めました。

ダイヤ組は絵の具で色を塗って、丸めて、自作のつぶてをたくさん作りました。

投げつけるのがもったいないくらい、オリジナルな紙つぶてがいろいろできました。

クラスで「鬼退治の予行演習」、鬼の的あてを楽しんだ後、節分当日、ダイヤ組は先に園庭へ向かい鬼を迎え撃つ準備万端!

 クローバー組は、風船に洗濯のり、新聞紙や白紙を重ね貼りして型をとり、絵具でペイントして精魂込めて鬼のお面を製作しました。

技術的には、風船に紙を何層にも重ねて土台をつくるのが大変な作業ですが、洗濯のりの塗り方や量に苦戦しながらも意欲的に作り上げていました。

さすが年長さん、根気よくモノづくりに集中する成長が頼もしく感じられました。

 写真でも見られるように、それぞれが思い浮かべる鬼の色や表情がとても個性的なお面ができました! みんな力作です。

自作のお面をかぶり、鬼になりきったら節分行事の本番です。

園庭ではタイヤと段ボールで作った鬼が島をめぐってハート組、ダイヤ組さんと新聞紙のつぶてを使った豆まきで決戦です。

「あ、鬼が来た!!!」と、迎え撃つダイヤ・ハート組。

 いよいよ鬼の集団の登場です。のっしのっしと鬼になりきって、いざ!

 クローバー組は、午後にも、いちご、りんご組さんに鬼になっていくという役目を楽しみにしながらも、「小さいお友達が怖がってかわいそうかも」と心配し、いちご、りんごの保育室にお面をかぶって訪ねることを様々に考えている様子でした。

「怖がりすぎたら優しくしてあげよう」「逃げられるようにゆっくり近づこう」など、小さい子の姿を思い浮かべながら、子ども同士で相談している様子も年長さんらしいなと、成長を感じました。

乳児室、訪問前の待機。 お面をかぶって意欲満々です。

怖くて固まるちいさなお友達に、お面をとって笑顔を見せる姿が微笑ましかったです。

今、楽しい遊び💛

保育園の道路を挟んだところの家屋を解体工事しています。

ハート組の子どもたちは、工事の音を聞きつけその様子を見たくて、覗ける場所をしっかり見つけました。

「あ、見えた!トラックいるよ」

「どれどれ?」

「あ、何か持ち上げてる!」

「どれどれ?」

と、どんどんギャラリーが増えていきます。(笑) 

3歳児ならではの面白光景ですね。

こうやって覗き込んで、お互いに気づいたことや面白いことを言い合って工事の様子を見学するのも、この年頃の子どもには楽しい遊びの1つですね。

福笑い(>_<)

お正月の伝統的な遊び、福笑いを楽しんでいます。

目隠しをするだけで、ちょっとドキドキ♡ 見えないけれど、人の顔を

イメージしながら、「目はこの辺かな」「口はここかな」と置いていますが・・目隠しをとると「え~、変な顔!」と、大笑い!

交代でやりながら、皆でケタケタ笑いあう文字通りの福笑い遊びです。

かるたも白熱!

こちらもお正月遊びの定番、かるた。

絵で見るかるたですが、大人に読んでもらう言葉をよ~く聴いて・・・「あった!」と見つける楽しさをすっかり覚えました。

じ~っと札を見回して、耳も声に傾けて、2,3歳児で十分発達してほしい「~しながら~する」という2次元認知をしっかり経験しています。

言葉と絵の認識の一致も必要な、学びの宝庫のかるた遊び。

幼児期は遊びの中に学習課題がたくさんありますね。 たくさん遊ぶと賢くなるって本当だよ!

異年齢交流

年明けの日課では、午後からは進級を見据えてダイヤ組さんと遊ぶ時間を日常的に持って交流を深めていけるようにしています。

今年のダイヤ組さんは男の子が多いこともあり、運動遊びや構造遊びが盛んです。

ハート組の子どもたちも、構造遊びには意欲が高いので良く一緒に遊ぶようになりました。

それぞれに気を遣うことも、真似して楽しみを共有することも、人と共に何かするという関り方を遊びながら経験しているのですね。

新年、元気にスタートしました

明けましておめでとうございます。

穏やかな天気になり、子どもたちも保育者も元気に新しい年を迎えて生活をスタートしました。

今年は、元旦から震災や飛行機の事故など大変な出来事があり、こうして穏やかに過ごせる日常がとても有難いことだと改めて感じています。

でも今年は辰年、辰は陽の気が震えるように大きく動き、満ち溢れる状態を表すので、新しいことが次々に起こる良い年になるとも言われています。

子どもたちと共に新しい未来をより良く築いていけるよう、保育の充実にも一層努力と工夫をしていきたいと思います。

新しい時代の、乳幼児保育・幼児教育実践に向けて

今、皆さんの日常に欠かせないスマートフォン。

保育園の設立当時には携帯電話は普及していたものの、スマホはまだなく、様々なことが実際にはアナログとデジタルが入り混じっていて「手動だけど、便利にはなったね」という感じでした。

でも、それから20年も経たないうちに「AIの時代」に変化し、私たちにとっては大きな「技術革新」でも、今の子どもたちには生まれた時からある技術であり、日常に普通に浸透しているツールばかりです。疑問に思う余地すらないでしょう。

10年くらい前までは、デジタルツールの普及は子どもの成長にとって害が大きいと、社会的な受け止めは、どちらかと言えばマイナス面が指摘されていたように記憶しています。

ですが、もはやこのAIの時代にどんな教育が必要で、子どもたちがどのように人間らしく、さらに自由に社会のなかで生きていく力を獲得していけるのかを教育の大前提にする必要があります。

簡単に言えば、今、世界中で注目されているSTEAM教育が乳幼児期からの教育に求められているということです。(STEAM教育の詳しい説明は、省きます)

つまり、これまでは「先生や大人に課題を提供され、それをいかに解き、正しい考え方を習得していくか」が、教育の重点とされていたことも、世界中にあふれる情報を様々に活用しながら、「それらを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結び付けていく資質・能力の育成が求められる。」と、すでに文科省がそうした教育の推進を示しているのです。

これからの時代において、保育でも「自分で課題を見つけ解決していくために重要な力」として、乳幼児から育むことが求められています。

保育での取り組みで大切にしたいこと

私たちの保育ではこれまでも、遊びの中で物事の因果関係の理解や論理的な思考が大きく育つような活動を意識的に行っています。

自由保育の枠組みや活動の中には、このような思考や取り組みができる時間や環境が多く保障されているからです。

大人の指示に頼らず、子どもたちが実際にモノを操作したり、自然体験(水遊びや戸外活動など)、五感を使いながら「どうして?」「どうやってやろうか?」「これは何?」と、考える機会をたくさん持てるように、子どもの自由度を尊重できるように、日課をくみ、環境を用意し、大人の関りも意識的に行うようにしています。

何よりも日課の中で、子どもが欲する時間を考慮しながら配分することで、満足いくまでじっくり取り組めるように時間の確保もされることが、子どもにとっては「やってみたいことが実現できる」環境として大きな意味を持っています。

工作や表現活動など、個々の子どもが自分の興味に十分向かいながら、試行錯誤したり、繰り返し試したり、アイデイアを組み合わせたりする過程に「課題の発見」がされていきます。

今年も具体的な保育の場面で、子どもたちがどんなことを楽しみ、経験しているのかを実践の紹介としてHP上でも発信していきたいと思います。

楽しく学ぶことが、一番身につく学び! 乳幼児教育の一番根っこにしたいことを合言葉にして。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

園長 日下部樹江

お話し会をしました

神様からのおくりもの

今回のお話し会では、クリスマスの時期でもあり、幼児になってそれぞれの子どもが相手や自分の個性について、考えたり比べたりしていく時期にも差し掛かっていることから、この本を選びました。

お話しは、神様がどの子にも贈り物を授けて生まれてくる、というもので、物語の中では5人の赤ちゃんが「歌が好き」「よく食べる」「力持ち」「優しい」「よく笑う」という個性を持った子どもに育ちます。くるみ組の子どもたちも、どの子にも素敵な個性があるということが伝わってほしいと思いながら演じました。

 実際に演じてみると、子どもたちはプレゼントや出てくる子どもに注目してみている様子がありました。「あかちゃんだね」「なにかでてきた」などと話しながら見ている子も居ました。

クラスに戻ってから、子どもたちは人形を使った遊びをいつもより多くしていました。原作の絵本を出したことで、自分でゆっくりとストーリーを振り返る様子も見られていました。会話の中で、「○○ちゃんはどんな贈り物をもらってきたんだろうね」「あー、きっと元気だよね」などと話しが弾んでいました。ペープサートの棒を外し、子どもたちに実際に使った道具を下したことで、ハートの子たちが大人やお話し会に参加できなかったあんずの子に、お話し会を開いてくれています。

そうやって、自分たちが経験したことを振り返り、再度感覚し直しながら、子どもたちはお話を自分の世界に取り込んでいくのだなぁと思います。

チリンのすず

「ちりんのすず」はアンパンマンの作者、やなせたかしさんが描いた絵本です。

やなせたかしさんは「正義のためだ」と言われていた戦争で愛する弟をなくし、戦後は「侵略のための戦争だった」とされるなか「正義は逆転する」と思い知らされました。 そして「逆転しない真の正義はひもじい人にパンを差し出すことだ」という答えにたどり着き、アンパンマンを生み出したとのことです。

アンパンマン大好きな子どもたちは、作者のそんな純粋な正義にきっと共感するのかなと思います。

この「ちりんとすず」は、一貫して平和と正義を作品に託したやなせたかしさんが描いた、狼に親をころされた子羊のちりんが、かたきである狼に鍛えられついにかたきうちをするという話です。

お話しの中で、お母さんを死なせたカタキである狼のウォーと過ごすうちに、父のように慕うようになっていた気持ちに気付く最後のチリンの言葉に大人も胸が熱くなります。

幼児の子どもにとって少し重い話ですが、死が身近になく軽い言葉として扱われている昨今、その重さと人を悼む気持ちを少しでも感じてもらいたいという願いと、もうそうした複雑な心理を受け止められる感受性が育ってきた子どもたちの力を信じて、お話会の作品に選びました。

お話し中は、いつになく真剣に見入る姿や、お話会の後、保育室に置かれた「ちりんのすず」を手に取り友達と一緒に見ている子ども達の姿から、少しでもお話の意味を感じ取ってくれたのではないかと感じています。