7月30日 お話し会


7月30日、お話会がありました。

前期最後のお話会、「今日は何のお話?」と何が始まるのか、子ども達は楽しみにしている様子でした。
今回のお話は2つと、最後に「連想」する力を発揮できるかな?となぞなぞに挑戦しました。

●なにをたべたのかな(手作り紙芝居)
●めっきらもっきらどんどん(大型絵本)
●なぞなぞ(なぞなぞパネルシアター)

1つ目のお話は、色と登場人物の白ブタくんが、普段自分たちが食べているものを食べると、その食べ物に染まっていく・・・?と。

「食べること」と食物や、体の中で消化する仕組みに興味を持ってもらいたいとの思いを込めて、栄養士の長﨑先生と園長先生が演じてくれました。
ブタくんが食べるものによって、体の中の色が変化していくことに気がついた子ども達。


りんごを食べたら赤なる…メロンを食べたら?

次々に出てくる果物をみて、徐々に体の色の変化に予測がついてきました。

しかし、「石けんを食べたら」のところでは、どうなるのか?と、「白くなる?」「泡になる?」真剣に予測している様子が見られました。

 子どもたちの反応は、自分の体と対比して考えることが面白いようで、白ブタの姿を、自分に置き換えるというよりは、この先に起こる展開を予測して考え、答えてみるということが楽しかったようです。

お話の最後に長﨑先生から、少し体の仕組みのお話がありました。
食べたものは口から入っていくと最後は何になるのか…「エッ? ウ○チ?」

その答えは、あとでみんな考えてみてね!」と、答え合わせはありませんでした。
けれど、自分の体の中には何かはあるけど、自然にその機能が働いているということ

は意識しないとわかりませんよね。長﨑先生の「食べたものはおなかの中でどうなるか

な?」というお話に、子どもたちは、「体の中に自分より長い腸が隠れていたり、食べ

たものが通る道がある」ということを半信半疑で聞いていましたが、その後給食での食

事では、いつもよりよく咀嚼していたり、排泄後の便の様子を見てみるなど、子どもな

りに体の仕組みをイメージできているようでした。


次のお話は「めっきらもっきらどんどん」の大型絵本。
3~5歳の子ども達は、現実やファンタジーの世界を行ったり来たりできるという発達の段階にいます。お話を通じて、夢かな現実かなの世界観を楽しめたらいいなと、2つ目のお話を選びました。

大型絵本は文字通りとても大きな絵本です。
あまり見たことのない大きな絵本に、まずは見た目から興味津々です。

子どもたちは、登場人物のかんちゃんに感情移入しながら、途中出てくる不思議な妖怪たちとの、やりとりに真剣に聞き入っていきます。

「めっきらもっきらどんどん」の中で歌われる歌は、登場人物のかんちゃんが作った、デタラメな歌なのですが、フレーズが耳に残るので、お話のあとも、あちこちで口ずさむ子どもの姿もありました。
 夢かな?現実なの?妖怪たちが得意な遊びでかんちゃんと一緒に遊ぶシーンでは、実際にはありえなさそうだけど、もしあったら面白そう!ということを子どもたちも楽しんでいる姿がありました。
 子どもたちの頭の中では、きっとカンチャンが自分に置き替わって、想像が膨らんでいたことと思います。 

自由にファンタジーを思いめぐらす思考ができる発達段階ならではの楽しさを、たっぷり味わっている表情が印象的でした。


最後の題材は「なぞなぞ」

言葉をよく聞き、聞かれていることを言葉から連想して答えることを楽しめるように!ということをねらいになぞなぞ大会!

第一問…子どもたちはまず「聞きそびれないように!と」真剣に耳を傾けます。

 問題の途中でひらめく子、絵のヒントを見て気づく子、答えられたことが楽しみになってきた子、など最初の問題から最後まで「夢中で考え、夢中に応える」という真剣さと熱気!大人が感嘆する集中力と意欲にあふれ、なぞなぞ大会?も大盛り上がりで終わりました。

さて、なぞなぞの最後の問題は、「名前を呼ぶと返事をするパンはどれか?」

1.メロンパン
2.食パン
3.あんぱん

どれでしょう?「これは今日の給食に出てくるかもね。みんな当ててみてね」と長﨑先生がヒントをくれましたが、答えがないまま終わりました。

その後、出てきた給食のパンは…なんとロールパン!!

…「あれ給食に出るって言ってたよね?」

大人は嘘をついた形になりましたが、献立では実はロールパンだったのです。そのため、子どもには答えの理由はわからないまま^_^
ま、それはそれとして子どもらしい推理と想像で、たくさんの会話がされていたので、なぞはなぞのままにしてあります。笑。

さて、次回は読書の秋、9月です。
何のお話がされるのでしょうか?
次のお話会も、子どもの成長とともに大人も文学を楽しみたいと思います。

キッズエンカレッジ

お話し会

 6月18日に幼児の3.4.5歳児が毎月楽しみにしている、お話し会が行われました。
 今回行ったお話の内容は3つです。

  • 「かやぶき屋根の家」(ぐるぐる話)
  • 「むしばはなぜできるのか」(絵本)
  • 「うごきのはなし」(プロジェクターをつかった動き模倣)

 まず、ぐるぐる話がどのようなものかといいますと、「これはかやぶき屋根の家に住んでいるおじいさんです」のように、言葉のつながりでできているお話です。
『かやぶき屋根の家に住んでいるおじいさんの次におじいさんの馬が出てきて、馬の馬糞が出てきて・・・』というように、お話に、お話の続きが展開されていくのが、ぐるぐる話です。つながるお話の面白さだけでなく、文法でいうと「前の構文の内容にもとづいて、次の構文の理解(解釈)をしていく。」という、簡単な文章の組み立て、基本的な構成を、お話を聞きながらしっかり学んでいるのですね。

 普段、子どもたちは何気なく会話ができるようになっていて、幼児は子ども同士でも、お互いの意思疎通は十分にできる語彙の獲得をしています。その話し言葉が学童期に向かう中で、「文章を読んで正しく意味を理解する力」=読解力に結びつくことも、お話会で様々な形で文学活動をしていくという、「幼児期に楽しく学ぶ経験」ができるカリキュラムの実践を、保育では意識しています。
 子どもたちは、言葉を習おうと思って、獲得しているのではなく、成長の経過の中で「文学を通じて聞き、意識的に言葉を聞くことや、前後のつながりからわかってくること」を面白がってもらいたいと思い、今回はこのお話が題材になりました。

 大人はいろいろな反応を予測していましたが、実際には子どもたちの面白ポイントは、全然違いました。出てくるもの(馬糞など)の普段聞かない言葉と絵と自分が知っている(ウンチ)が同じなのか? 次は何が出てくるか? という更なる予測と絵の意味することと、文章での理解の一致を当てようとすることでした。
 また、途中のワード「たかっているハエ」の「たかっている」ってなんだ? などワードの不思議にも関心を持ち始めている子もいました。

 このように、文章のつながりの中で「言葉には使い方がある。」ということにも注目できたことは、子どもたちの知りたい意欲を深めることにつながったように思います。

 2つ目は、園で行う歯科検診が近いということもあり、日ごろの習慣や、歯磨きの習慣、意識を持ってもらいたいということから、ちょっとした歯のモチーフを使ってお話をしました。
 子どもたちの言動からも「お家で磨いているよ」「ママに磨いてもらってる」口々に言う発言からも読み取れましたし、(中には「虫歯にならないためには、歯磨き粉フッ素がいいよ!」など詳しい知識も出てきてびっくりです!)
 その反面、日ごろの習慣を思い浮かべて、内心・・・ギクッと思った子もいるかもしれませんね。

 しかし、今回一番の注目点は、もっと他にありました。そのポイントは、「なぜ動物や魚などは虫歯にならないのか?」ということでした!確かに聞かれるまで、そんなことを考えたことがなかったです。子どもたちの想像力の中で、色々と子どもたちなりに答えてくれました。

 さて、正解は!

「魚たちは、海の水で洗われているから、歯はいつも綺麗」
「へびやワニは、食べものを丸呑みして噛まないから」
「鳥たちは、歯がないから、虫歯菌がすめません」

 子どもたちの受け止めは、「やっぱりー、当たった!」「へぇーそうなんだー」と、答えに関心を寄せていました。
 虫歯が虫歯菌というばい菌が原因でできることや、魚や動物たちが人間とは違う食物摂取をするから、そうしたばい菌が増殖しないのだ・・という、健康と習慣が関連している意味になっていたらいいなと思います。
 まずは、虫歯菌、バイバイキーン!と、歯磨きをしっかりできるようにね!

 最後にプロジェクターを使って大きく映し出す「うごきえほん」を見ながら、園長先生と一緒に、絵本に出てくる「お江戸の若者」?がする、いろいろな動作を真似してみました。映写が始まる前に、お江戸言葉での口上を聞き、「なんか変な言葉~」と興味津々。

 そして、映し出されたプロジェクターに映った動きを、「はい!できるかな?」と、見よう見まねでやろうとする子どもたち!同じ動きのはずが、それぞれが見たまま即興なので、似ているような似ていないような、(笑)

「こうなの~?」
「足、前だよ~」

と、大盛り上がり。単純に動きを模倣するって簡単なはずだけど、完全に同じにするのは少し難しいよね。子どもたちにはそれが面白かったようです!

 画面の中で、お江戸の若者はまじめにいろいろな動作を披露します。そのたびに子どもたちは、「まじめに歩くってなんだ?」と、子どもたちなりに動きをとらえて表現しようとする一生懸命な姿がありました。

みんな必死!(笑)

 考える動き、歩く動きなど、出てくる様々な動きを試しながら、

「難しー!」
「なんか変なかっこう!」
「見て、できたよ」

など、子どもたちもいつも何気なく動いている自分の動作を、意識して「動かす」体験になりました。

 ”生きる”ということは、日々何気ない動作の連続です。普段のほとんどの動作は、小さな頃から学習しながら獲得してきてきたものですね。小さな時から子どもは、”動き出す”ことによって、たくさんの挑戦をし、転んだり、バランスを崩してひっくり返ったり、ぶつかってみたり、かなりのリスクを冒して(痛い目にもあって)チャレンジし、手に入れた動作の数々です。今、活発に動けている発達もけっして当たり前ではないんです。

 そうして動きを獲得してきた幼児の子どもたちが、改めて「意識して動く」「思ったように体を動かせる」ということが、簡単じゃないなあ~と感じたチャレンジにもなったようです。さらに動く事で、大切な事を人に伝えたり、素敵に表現したり、面白い事、怖い事など、言葉を話すこと以外でも、動くことによって伝わることに気づいたようですね。動く事で、喜びが大きくなったり、人と何かを共有したり「生きている事が楽しくなる」って感じられると良いですね。

 また、動きは、自分を表すシンボルにもなります。そして、それを私達は「しぐさ」とも呼びます。この絵本で、自分や他人の身体の事、動作(しぐさ)の事を知れるといいですね。皆同じだけど、少しずつ違うねってことにも興味をもてると、自分の事も人の事も面白くなりますよね!
 さて、7月のお話会はどんな興味が広がっていくのでしょうか。

お話し会

5月21日(金) 幼児の3.4.5歳児は、お話し会に参加しました。          

絵本の読み聞かせは、1対1でその子とお話しをする事が大切ですが、集団で話を聞くという事も幼児期には必要になるので、幼児を対象にお話会を行っています。

今回は、まず始めに食育の一環として、野菜の苦手な子ども達が、野菜に、興味関心を持って、食べる意欲に繋がってほしいという願いで、いつも美味しい給食を作ってくれている栄養士の先生達が中心となり「やさいのおなか」のマグネットシアターと「キャベツ」のお話をしてくれました。野菜のシルエットや色から野菜の名前を当てていく子ども達。白黒の野菜の断面の絵だけで分かり、嬉しそう大きな声で名前を言う子もいました。本物の野菜も出てきて、野菜の断面も見る事ができ、子ども達は、1つの野菜の特徴を表すヒントが、シルエット、野菜の絵、本物の野菜と、順番に出てくる事で、野菜の成り立ちに自然と興味を持っている姿がありました。

  次は、園長先生が「とらたのヨット」の手作り紙芝居を読んでくれました。途中でとらたのヨットが、紙芝居の中から折り紙のヨットで現れて、右へ左へゆらゆら。3冊目で少し集中力も切れてきた子ども達は、視覚的にヨットが出てきた事で、改めてお話しの世界に注目していました。

  最後は、折り紙で作ったペンギンの指人形を1人ずつもらい「ペンギン体操」の絵本のペンギンと一緒に息をすって、はいて、いちにー、さんしーと体操をやって、楽しく締めくくりました。

4つのお話しで、30分を超える長い時間でしたが、マグネットシアター、紙芝居、絵本と表現方法、お話の内容、伝え方が変わった文学体験を、子ども達は充分楽しんでいました。

お部屋に戻ってからハート組さんは、ペンギンの指人形で遊んだりペンギン体操を模倣してお話し会の余韻を楽しんでいました。その日は、給食で入っている野菜の名前を言うと、いつもよりも興味を持って「かぼちゃは?」「キャベツは?」とさっき見た野菜の名前をあげていました。

くるみ組さんは、折り紙と糸でヨットを作ったり、野菜を手にとって、ざっくり「野菜のおなか」を観察したり匂いを嗅いだりした後、その野菜の絵を描いてみるなど、遊びへと活動が広がっていました。
文学活動は、子どもが日々何気なく体験していることを、様々な物語として、また様々な表現方法、言葉として、保育の中で意図的に行っている活動です。
お家でも、きっと”お話し会”のお話しを、子どもがしてくれていると思います。そんな子どもとの会話もぜひ楽しんで保育園での活動の様子を家庭でも共有して頂けると嬉しいです。

認可保育園 Kid's Encourage

スペシャルお話し会!

 7月も後半に入る17日金曜日。毎月第3金曜日に行っている文学を楽しむお話し会が行われました。

長い梅雨のさなか、夏らしい天気が早くやってくるように毎日「ザ・夏!」になるのを子どもたちも楽しみにしていました。

 雨で室内の遊びが多くなっていましたが、そんなうつうつとした天気に負けないように、保育者も今年の夏は少しスペシャルなお話会を行おうと考えていました。

そこで、これまで取り組んできた人形劇や七夕を通して、子どもの中に芽ばえてきた文学への興味を更に高められるように、夏に想像力が掻き立てられるものといえば。。。おばけ!

ということで、7月のお話会のテーマは「お化け」とすることに。

「いるようで、いない」「いないようだけど・・いるかも」と、自分の中で様々な想像がふくらむ時期の幼児には、自分が聞いた事があること、知っている絵本、中にはTVなどの知識をフルに動員しながらのお化けイメージをもっての参加です。

何だかワクワクする、けど、「怖くないかな~」とちょっとドキドキも。

お話会当日、1つ目のお話はエツコ先生が『おばけかぞくのいちにち』の絵本を読んでくれました。

おばけ一家は朝と夜が逆で、ご飯もなんか変なもの食べていて・・でも、おばけも保育園にはいくんだって・・・。あるような、ないような、自分達と同じように生活しているおばけがユーモラスに描かれている絵本です。

あんず組さんから、クローバーの年長さんまで、想像する楽しみポイントは違いますが、みんなおばけの生活ぶりに興味津々。

お話の中に出て来るおばけの食べ物「うそつきバナナ」には、「どんなバナナ?うそつくってしゃべるの?」と、注目の的になっていました。

2つ目はペープサートによる、「クレヨンのクロくんと、なぞのおばけ」というお話。

おばけ、というだけでも心惹かれるのに、さらに「なぞ」なんてワードがくっついたら、そりゃたまりません! 七夕会でもペープサートを楽しんだ体験もしているので、期待感が高まります。

お話が展開されていく中で、次々といなくなってしまうクレヨンたち。

子どもたちは「なんで?」と、それぞれの中でなぞを考え始めました。

結果は、心優しい人助けのためにクレヨンくんたちが協力して絵を描いていたということでしたが、ここでも「ありそうで、なさそうで・・、でも本当だったら?」という想像をたっぷりした様子でした。

同じお話を聞いていても、見ていても、子どもが一人一人想像する内容は違いますし、自分の生活体験からリアリテイを感じて自分に置き換えてみるところも違います。

保育者にとっても、お話を通して子どもが抱く想像の世界と、現実の自分達の生活体験を結び付けて、お話の内容以上に個々の子どもの中でストーリー展開していくことが豊かにできる力を子どもたちが蓄えていることが垣間見える、とても楽しくて貴重な体験となる活動でした。

最後は、お話の余韻が覚めず、おばけへの想像がさらに楽しめるように、『やなぎのしたには』という、わらべうたで遊びました。

♫ やなぎのしたには、おばけがうーうー。おばけのあとから、おけやさんがおっけー、おっけー、おっけやさんのあとから、おまわりさんがえっへんぷん。おまわりさんのあとから、いたずらぼうずがジャンケンぽーん!♫

と、歌いながら仕草を行うものです。

お話の中のおばけのイメージの楽しさと、ジャンケンでは勝つぞ!と、勝負に対しても子どもたちのテンションは上がり、盛り上がりをもってお話会を終えました。

おばけの想像やお話は、今でも子どもたちの遊びの中で継続して展開されている様子です。

こうして、子どもたちが内包する想像力を発揮しながら、子どもたち自身が遊びを生み出し、関わり合いながらその内容を広げ、深めていけるように私たち保育者が、子どもたちが様々なお話に出会えるような、お話し会という活動の機会を大切な取り組みにしていきたいと思っています。

お話し会 人形劇「金のがちょう」

 コロナウイルス感染防止対策で、実施できずにいた毎月第3金曜日に行われるお話し会を久しぶりに行うことができました。

 今回はいつも以上に、子どもたちにお話の世界をたっぷりと味わってもらえるよう、保育者が時間をかけて準備、練習して届ける人形劇です。

 人形劇に触れることで、幼児期に大切な「ものごとをイメージする力」そして「イメージしたことを表現する意欲」へつながる体験として、お話のユーモアと登場人物それぞれの状況や気持ちに感情移入しながら物語の世界を味わってほしいと、グリム童話「金のがちょう」をモチーフにした脚本づくりからはじめた保育士完全オリジナル版の創作劇です。

 創作の過程で、保育者同士も子どもの発達に見合ったストーリー展開や、その演技、演出の仕方など、改めてたくさんの学びがありました。

 幼児期の興味・関心、現実の経験と虚構の世界との橋渡し。

「こんなことあるかな?」「あったらどうしよう」というドキドキ感。

「わ~、変なの~」と笑ってしまう出来事の中にある、人間のリアルな体験を根源にもつ登場人物の心理など、どう今の子どもたちに伝えたいか?!と、練習しながらのデイスカッションは繰り返されました。 

 何よりも、子どもたちにこの人形劇を楽しんでもらうことで、日常のリアルな体験とファンタジーの世界が結びつくことで、子ども自身が新しい想像の世界を創造していくキッカケになってほしいと願っていました。

 いよいよ人形劇の当日。

「今日のお話会は、何だかいつもより特別らしい?!」と期待を膨らませる子どもたちに、久しぶりに本格的な人形劇に挑む大人たちがドキドキ!!!

 大人の熱演と、試行錯誤して練り上げた物語は、子どもたちをワクワクさせる「虚構=現実」の世界として味わってもらえたようです。

 人形劇を観賞した後、子どもたち同士さっそくお話の場面を取り入れての再現遊びを始めました。それぞれに物語の中で注目した登場人物のキャラクター?に扮したり、お話の世界を味わいつつも、自分のイメージを表現し合う姿に、「お話を体験する」ことの意味が大きいことが見て取れます。

 それぞれの子どもにより、お話で注目するところは違うかもしれませんが、子どもはそこで体験している虚構の出来事をリアルに受け止めることで、作品の中に入り込み「次は自分がその物語を再現の中で表現しよう!」と、子ども同士のストーリーを創造して遊びにしています。

 こうした子どもの反応、様子を見て考えることは、子どもがそのままで「想像力豊かに」日々を生きているとは限らず、想像のきっかけとなる体験があり、イメージを生むことで遊びになり、さらなる想像につながっていくのだということです。

 またそれが、実は直接経験していることだけで自由に、豊かになっていくとも限らず、むしろ経験しているからこそ想像や空想の世界は縛られている、ということも多いのです。

 むしろ、場合によっては大人以上に日常のリアルにそのまま直接的に規定され、「自由な発想」の芽を出せずにいることは多いのかもしれません。

 保育の中での文学体験や様々な活動は、子どもたちに新しい成長機会の提供になるようにとの意図や願いをもって実践されていきます。

 まず、大人が様々な体験を保育の中で提供すること、子どもの経験や知識に見合った道具や環境を用意する事を通じて、子どもの成長に従ってイメージや想像力も発達を遂げていくことを大切に考える保育を築いていきたいと思います。

 子どもがお家でする遊びの姿の中に、そんなイメージをもった表現は色々見られると思うので、ぜひ関心をもって見守ってください。

キッズエンカレッジ