どんな時も!

特別保育期間が⻑くなっています。 新型コロナウイルスの感染リスクの減少に向け、在宅で過ごしている子どもたち、そして保護者の皆様、 ご協力ありがとうございます。

保育園では、社会情勢的に仕事を余儀なくされているご家庭のお子さんを対象に、特別保育という枠組みで全クラス合同の保育を続けております。

けして万全とはいえない保育環境の中ですが、乳児担当者、幼児担当者の保育士が通常とは違う中でも、それが子どもにとっては「良い経験」となるように、しっかり保育の予測と準備をし、連携して毎日の生活を送っています。

異年齢とは言っても、近い発達幅の子どもたちにとっては、生活の見通しがもてれば、それはそれで 「いつもとは違う生活、友だち」という世界を楽しんでいる様子です。

私たち保育者は、子どもにとってどんな時間、経験にしていくことができるか?を考えながら保育活動を進めています。

こうした時こそ、保育園が養護、教育の指針としている「環境による保育」を十分に展開することが求められているとも思います。

子どもにとって環境は学習の宝庫だと言われていますが、いろいろな環境を与えさえすれば子どもは自動的に何かを学び吸収するということでもないですね。ある環境に対して、子どもが自動的に関わるとも限りません。

むしろ、子どもが環境に働きかけるというより、環境から働きかけられることによって、行為を誘い出され、興味を誘発されるから遊び、経験し、学びになっていくという関係が生まれるのでしょう。

だとすると、良い保育者は「子どもの興味を誘う魅力的な環境をつくり、子どもが自ら遊びや活動に向かう動機を生み出す」ことに意識を向けられるということになりますか。

環境づくりの1つとして、実は 3 月から園庭の畑でいくつかの野菜の栽培を始めていました。

保育としては、食育という観点も含めて子どもが栽培、収穫、調理という工程を体験することから「命 の育ちと食」ということを感じる体験ができるように。

また、植物の育ちを観察し、触れていくことで何か発見し、「面白いな」「不思議だな」という好奇心、 心が動く体験になるように。

さらに、収穫は「旬」をあらわすことでもありますから、旬の食材に触れ、季節や自然を感じ、知る機会になることで、日常にある「食」に関心が高まることを願って。

さて、栽培している野菜の1つ、さやえんどうが立派に育ち「旬」を迎えました。

本当はみんなで収穫したかったけど、そこは自然物。成⻑は待っていてはくれないので、登園している子どもたちが代表して収穫に勤しみました。

さやえんどうはとても豊作で(いつもきめ細かくお手入れしてくれる先生の思いもあり)、たくさん収穫してもまた次の日にはいっぱい!!という現象! 子どもたちにとってその現象は、毎日の驚きと不思議にあふれていました。

収穫を楽しみながら、子どもたちの気づきや関心ごとは様々です。

さやえんどうをいくつ収穫するか?という量には全くこだわらず、「なぜに太っちょのとやせっちょがこんなに違うのか?」ということに関心を持ち、集中して太ったものを探す子。

葉っぱの裏の方に目立たないけど隠れて実っていることが不思議で、「裏を探す」ことに専念している子。⻑さ、大きさの種類に関心があり、いろいろなサイズを探す子。

目の付け所は実に様々ですが、さやえんどうの観察はみんな真剣そのもので、収穫する表情は笑顔というより、農学博士みたいな表情です。(笑)

現在のような、条件が制限され活動幅が限られた中でも、子どもの成⻑は日々更新されていくことを大人の私たちはしっかり考えて、共に大事な 1 日を過ごしていきたいと思っています。

収穫して持ち帰ったさやえんどうは、お家でいろいろな料理になって食されたようです。

子どもからは、「おみそ汁にいれた!」「卵と焼いた!」「お芋と煮た!」と食したメニューがたくさんでてきました。

きっと、さやえんどうも喜んでいるね!

また、いつもとは違うことに異年齢での幅が大きいなりに、乳児も幼児もよく関わりながら遊ぶ姿が見られています。

生活の時間軸が、担当の大人によって丁寧に見通しができていることで、それぞれにストレスのない生活時間が保障され、遊具、空間が整えられていることで、自然に受け止め合って生活していることが できているのだなと嬉しく思います。

そんな1コマも。

新型コロナウイルス感染拡大も、少しずつ収束はしてきているようです。

まだまだ油断はできませんが、こうした時でも子どもたちの毎日が有意味なものであるように、できる工夫をしながら安全に豊かに過ごしていきたいと思います。

皆様、お疲れの頃だと思いますが、ご自愛しつつ、少しでも充実した毎日をお過ごしください。 早く元気に登園していただけることを職員一同で願っております。

キッズエンカレッジ
園長 日下部 樹江

5月給食だより<特別号> 第2弾

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため緊急事態宣言が発令されて、1ヶ月以上過ぎました。

千葉県は特定警戒都道府県となっており緊急事態宣言の解除が見送られ、もうしばらく保育園の休園も続きそうです。

早く元気な子どもたちに会える日が来るのを心待ちにしておりますが、もう少し家で過ごす時間になりそうです。

そこで、給食の先生たちがレシピを紹介した給食だより特別号第2弾を発行しましたので、家庭で過ごす時間を利用してぜひお子さまとともにチャレンジしていただけたらと思います。

>> レシピはこちらから(PDF)

Stay home -子どもとの生活の中で-

 保護者の皆様、大変なところ休園特別保育にご協力いただきありがとうございます。まずは皆様が健康を害さずに、感染危機が収束して、はやく通常の生活に戻れることを願ってやみません。
 新型コロナウイルス感染による自粛要請、休園が延長になり、親子でお家にいる時間が続いています。お休みしている子どもたちも元気に過ごせているでしょうか。
 これだけ長期間、しかも行動範囲が限られ、お家の中での生活を余儀なくされると乳幼児の子どもと共に生活していくことは、様々な工夫が必要になっているかと思います。
 また、長時間、空間を共にしていることで、どうしても親子や兄弟姉妹の関りが密度の濃いものになり、良いこともたくさんありながらも、子どもがよく見える分だけ親目線では気になる事も出てくるなど、親子双方のストレスになっていないか?と少し心配もしています。
 でも、こんな時だからこそ、ちょっとまなざしを変えて子どもを見つめてみるのも貴重な時間になるかもしれません。今、目の前にいる(どんな状態であっても)子どもを見る視点の1つに「その時期の発達特徴」ということが加わると、子どもが違って見えるかもしれません。試してみて下さいね。

 満2歳ごろ。りんご組~あんず組の頃の子どもは、自分の自我を育てている時期ですね。
いわゆるイヤイヤ、反抗、抵抗の表現が多い時期で、ガンとして自分の主張を通そうとすることや、何かをはばまれたらカンシャクを起こすことも。
人をたたいたり、モノを投げたりという好ましくはない表現、行動をすることも多くなったり・・・。
「何でこんなふうになるのだろう?」大人は困惑することもありますよね。
子どもによって表現の多少はありますが、皆が通る発達の道筋です。ご安心を。

 この時期の子どもは、自分の外の世界に自らぶつかりながら、外の世界を取り入れようとしています。
一生懸命にキャパを広げている! というと前向きでわかりやすいでしょうか。(笑) 
わざわざ自分でぶつかり稽古をしているわけですから、本人の中にも抵抗やきしみ、痛みのある体験です。なので、マイナスなとらえをされると情緒も乱れ、混乱を表すのです。
そこから1歩成長するには、小さなことの「自分で突破した!できた!」という自分の力で実現することの積み重ねが必要です。そしていつの間にかキャパを広げ、知識、技術の成長になり、心の側も変化していきます。
ですから、子どもの表現、行為の断片を切り取って心配を抱えないでくださいね。

 でも、「できることを増やす積み重ねって?」 
何かを教え込み、トレーニング的に行為を誘う事ではありません。
日常に行う普通のことの中で、少し大人が意図的に付き合うことでいいのです。

 例えば、毎朝着替えをするとき、子どもと一緒に服を選ぶ、積極的な子ならタンスから自分で出すことからでも。最初は能動的ではない子でも、大人が靴下を2足出して「どっちにする?」と選んでもらう。
 おやつも「どれでも2つどうぞ」と自分の器に自分でとってもらう。みんなで分けて、余ったのは残り全部自分のもの!と主張してもOK。
「パパにもう1つちょうだい」に応えてくれて、もう1つ分けてくれたら「ヤッター、ありがとう!」と喜んで一緒に食べましょうか。
 他にも小さなお手伝いをお願い。「これ、ごみ箱に捨ててくれますか?」「ありがとう」
何でもそんな風に、自分で選ぶことを増やし、生活の中にちりばめていけるといいなと思います。

 そうして少しずつ成長し、では、2歳半から3歳半くらいになるとどうでしょう。

 意外なことに、こうして積み上げてきたことが何故か後退したように見えることも出現します。生活リズム、生活習慣、なついたはずの祖父母への対人関係のきしみ、等々。一度できあがったと思った成長の姿がグラつきを見せ、大人はあわてます。
でも、これもまたさらにキャパを広げていくステップ。今までの自分から次なる自分へ、「~ではない~だ」という自分を真ん中にした対になる関係を比較し、自分なりに再検討する自我へと拡大中です。より確かな、より充実した自分の獲得のために手はぬきません。(笑) 再検討は慎重に行われます。

 ですから、この時期は何より自分が納得しなければならないので、そこでたとえ正解であっても他者に意見を挟まれすぎると検討は長引きます。
大人はあまり深く考えず、問い詰めず、子どものありのままを認めるといいのだと思います。

 例えば、いつもは良くても、今日はダメだという時、「今日はいやなんだ~、そんなきぶんじゃないのか~」と、いいとも悪いとも評価せずに応答する。
あれ?今日はやりすぎじゃないの?? と、感じる時には「ひゃ~、今日はワイルドだね~」「あら?今日はおじいちゃんがなんか変??」など、主要な問題を少しはぐらかして行為や表現を否定も肯定もせずに「待つ」ことがいいのだろうと思います。
 そうしていくうちに「自分がああしたい・・こうしたい・・」というものへと、段々と内面化していくことが自立的な思考を育みます。

 では、もう少し大きくなっての幼児期、4歳~5.6歳児はどうでしょう。

 この時期は、とても発達幅が大きいことを理解しておきたいですね。子どもによって成長デコボコが多いので兄弟姉妹でも他児と比べずに見守ることが大事です。子どもは生活の主人公でありたいと強く思っていますし、その自分を意識しながら社会性の広がりを見せていきます。

 例えば、いつまでも同じことをしている。一度気に入ると何度もやりたがるからきりがない・・。ということも出て来るかもしれませんが、そういう自我の頃です。
「いま楽しいことをズーーーーット持ち続けたいジブン!」なんですね。そんな自己中心的な主人公たるジブンを持ちながら、向かい合う(関わる)相手の側についてもわかるようになります。左右の手のひらを合わせて見ると、互いの手が「反対になる」ことや、並べた車の向きを替え、進行方向を改めて決めなおすなど、物事を転倒してみる事もし始めます。自分が主人公でありながらも、相手と自分の関係をかみ合わせて理解する力がついて、相手との共通性を見出していきます。
 この時期の子どもとは、オモチャや道具を媒介にして共通のものを挟んでかかわることで、関係をスムーズにします。共通した目的やイメージで協同してする遊びや活動が相手との関係性も充実させていきます。「自分の中のジブン、と相手の中のジブンが仲よくなれる」のです。

 家の仕事への参加を促すことも良い体験です。その際は、大人の便利なところで子どもを使おうとすることに気を付けて、子どもが自分で達成感がもて、子どもに任せられる内容を分担したいですね。
 料理だったら、さやえんどうの筋むいて、とか、みそ汁の味噌を量って入れてね、とか。洗剤の詰め替えなども、こぼしても大惨事にならないような場所で一からお任せするのも良いかもしれません。
 遊びは、大人も子どもも、くり返しの中で上達していけるようなゲームや運動がいいですね。大人も真剣にチャレンジしていくと互いに励みになるかも。

 健康や命を脅かす現状の危機は脱したいと強く願いますが、stay home!
 この特別な時間にしかできないことを、大人も子どもも経験できれば、未来をよく生きることにつながるだろうと思っています。
 ぜひ、子どもとの時間を楽しんで、じっくり子どもを見つめてみて下さい。

 6月に元気で会えますように。

2020年5月9日
キッズエンカレッジ
園長 日下部 樹江

認可保育園 Kid's Encourage

>>こちらからPDFがダウンロードいただけます。

臨時休園中の集金について

【集金について】

 国の緊急事態宣言の延長に伴い、柏市の保育園も5月31日まで臨時休園が延長されることになりました。

 これに伴い4月、5月分の集金について以下のようにさせていただきますので、ご理解の上ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。

 ご質問等ある方は保育園までご連絡いただけるようお願いいたします。

 <管理費>・・・4月分、5月分は無償(全園児対象)
 <3~5歳児の給食費>・・・4月分、5月分は各月とも1日300円×当園日数を徴収
 <延長保育料>・・・通常通りの徴収

 なお、4月に徴収させていただいた集金については6月以降に充当させていただきます。
 また5月は集金がある方も口座振替及び現金での集金は行いません。臨時休園が解除後に改めてご請求をさせていただきます。

2020年5月7日 
キッズ・エンカレッジ
園長 日下部 樹江

>> PDFファイルはこちらからダウンロードいただけます。

5月給食だより<特別号>

子どもと一緒に作れるレシピ!

 GW明け後も保育園の臨時休園が継続されることがほぼ決まり、子どもによっては少なくともあと1ヶ月余り、ご家庭で過ごすことを余儀なくされることになりそうです…。
 当園職員もシフト勤務を余儀なくされておりますが、その自宅待機中の時間を活用して、給食室の職員の皆さんがご家庭で子どもと一緒に作れるレシピを考えてくれました!
 ご家庭での食育もとても大切です。ぜひトライしてみてください!!

>> レシピはこちらから (PDF)