3月のお話し会

 月11日(金)にお話し会を行いました。

2月に休園があったため、久しぶりのお話し会です。子ども達は何日も前から「あと〇回寝たらお話し会だね」「どんなお話かなぁ?」ととても楽しみにしてくれていたようです。

 今回のお話は、わざわざ材料を買って作るのではなく、いらなくなったストローや身近に使えるものを利用して作製したペープサートにて演じた『なつみはなんにでもなれる!』です。

 このお話を通して、自分が想像したものを身体や道具を使って表現するということを楽しみ、主人公のなつみの気持ちに同化して物語を楽しむということを感じてほしいと、このお話を子ども達に届けました。

 内容としては、主人公のなつみがおかあさんに「おかあさん!いいことおもいついたよ!」「なつみがなにかの真似をして、それをおかあさんが当てるゲームだよ!」と真似っこゲームを提案します。

おかあさんは「え~、もう寝る時間なんですけど~。おかあさんが当たらなくても怒らない?」と確認をして、しぶしぶゲームが始まりました。

 なつみは全身を使い、さらに部屋にある毛布や椅子、洗濯カゴなどの道具を駆使して表現しながら、一生懸命に何かの真似をしますが・・・、おかあさんは全然当てることができません。さて、それからどうなるのかな?

 お話が始まると、子ども達はすぐになつみの気持ちになったようで、お話の中のお母さんがなかなか答えらず、当てることができないなつみ扮する真似っこゲームを「わかった!おにぎり!」「富士山だよ!」「赤ちゃんだ!」と意外にも簡単に当てていました。

子ども達は、すぐになつみちゃんが何になっているか、扮装やポーズを見ただけでわかるという、子どもの共感性のすごさを私たち大人は目の当たりにしました!

 お話の中のおかあさんが、なんとか当てようとしている様子を見て「おかあさん、絶対当たらないよ~!」と物語を予想しながら見る子も。

最後に眠くなったなつみがゲームの途中で寝てしまったときも「あ、寝ちゃったよ!」

とすぐに気付いていた子ども達でした。

 なつみとおかあさんのやりとりを見て、聞いて、きっと自分と普段のお母さんとのやりとりを思い起こしたり、自分の経験と物語を重ねて楽しんでいたりするのではないかと思います。

 お話し会のあとは、さっそく保育室にあるものを使って「これな~んだ?」と物語と同じように、作ったものや見立てているものを友達や先生と真似っこゲームを楽しんでいた子ども達でした!

 また2歳児さんでは、今回の内容は食育のお話ではないのですが、なつみが見立てた「お母さんのゆですぎたブロッコリー」から、何か感じ取ったようで、普段全く食べなかったブロッコリーを食べた子がいたとか・・・!

 今回のお話し会は、もうひとつお楽しみが・・・!大人の合奏とのコラボで歌うという試みです。

 大人が持っている楽器に「これ何か知ってる?」「ピアニカ!」「カホン!」「これはなあに?」と子ども達は様々な楽器をすでに知っていて、興味津々です。

 カホン・アコーディオン・鍵盤ハーモニカ・リコーダー・ギターが用意してあり、先生たちが楽器を使って『さんぽ』を演奏しました。

初の試みでもあり、子ども達も歌いたくて仕方ない様子でしたが、前奏で子どもたちも歌をフライング・・・改めて仕切り直しで演奏と歌を行いました。

 今年度の最後のお話し会で演奏するために、先生たちはこっそり練習を重ねていたのです。つたない演奏ではありましたが、こどもたちは「♪あるこ~あるこ~わたしはげんき~」と元気いっぱいに歌を歌って盛り上がってくれました。みんなで歌ったり、合わせることの楽しさを味わってもらえたのではないでしょうか。

 年長児さんは卒園式で合奏もするので、イメージやモチベーションのきっかけになってくれたらと思います。

 今年度のお話し会は今回で最後となります。

年間を通して、子ども達はさまざまな物語に出会い、いろいろなことを感じたり、遊びになったり、ファンタジーの世界が広がるか機会となる継続的な活動となったのではないでしょうか。

 子ども達それぞれの心に残ったお話がきっとあるのではないかと思います。

 文学は、実際の体験ではないけれど、様々な人の気持ちや出来事を経験できることの文学の力ってすごい、ということを大人の自分たちが一番感じた一年でした。

 来年度も楽しいお話し会を通じて、子ども達に文学の面白さなど色々なことを伝えていきたいです!

認可保育園 キッズエンカレッジ
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1月のお話し会

1月21日(金)にお話し会を行いました。

今年になってはじめてのお話し会。子どもたちは当日を迎えるまでの間「あと〇回寝たらお話し会だ!」「明日はお話し会!どんなお話しかなぁ?」と心待ちにしていた様子です。

また特に、前回から幼児クラスに仲間入りしてお話し会に参加している、あんず組の子どもたちにとっては「くるみ組さんのお兄さん、お姉さんのお部屋に行く!」ということだけで、ドキドキ、ワクワク、大喜びの様子でした。

さて、今回の1つ目のお話しは「おたすけこびと」です。

ある男の子のお母さんがこびとに電話をかけて、家族に内緒で仕事の依頼をすると・・・たくさんのこびとたちがキッチンに集まってきて仕事の準備開始!

なんと、工事現場さながらの働く車が出てきます。

この働く車の絵が、実際の工事現場で工事するように保育者が車の絵を立体的に製作し、動かしながらお話しを進めていくと、子どもたちは「何をしているの?」「なんか作ってるんじゃない!?」と夢中になって見守っています。

ショベルカーやクレーン車、ミキサー車やホース車、そしてヘリコプターまで出てきて・・・。こびとたちが一生懸命に働いて作ったものは何でしょう?なんと、男の子の誕生日ケーキでした!

無事にケーキが完成し、こびとの「任務、完了!」の声に、子どもたちは盛大な拍手でこびとたちを労ってくれました。(笑)すっかりこびとの気分で一生懸命工事に参加していた子が多かったのかな。

ちいさなこびとに自分を重ねたり、こびとを見守りながら応援したり、働く車が何をしているのかに注目したり・・・きっと子どもたちはそれぞれのお楽しみポイントを見つけてお話しの世界に入り込んでいたのだろうと思います。

「こびとって本当にいるのかなぁ?いないのかなぁ?」と、子どもたちのファンタジーは広がっていくのでしょう。

2つ目のお話しは「たべものやさんしりとりたいかい」です。

“しりとりって何だろう?”大人にとっては簡単に思うことでも、今まさに言葉の獲得をしている子ども達にとっては、言葉一つにも多くの発見があり、気付いたり、気付かなかったり・・・の段階です。

子どもたちが、言葉のどんなことを知っていて、何が気になるのか?どんなことに気付くのか?について注目しながら読み聞かせを行いました。

さぁ、「たくさんのたべものやさんの中で優勝するのは何屋さんかな?しりとり大会のはじまり~!」

はじめは、「あいうえおの『あ』からはじまるかた~?」

プロジェクターにアップルパイが映し出されると、子どもたちは「あ!アップルパイ!

次は『い』!」とすぐにしりとりが分かる子、じーっと周りの声を聞いている子、などとみんなよーく考えている様子。

次にお寿司屋さんから<いくら>が出てきて、次はラーメン屋さんから<ラーメン>が出てきて・・・あーっ!!!『ん』がついたー!!!

そうそう、『ん』がついたら残念!もう一度やり直し。

「失格でーす」と言われてしまったら、「『ん』がついたからだ!」としりとりのルールに気付いたり、再確認したりした子どもがたくさんいました。

子どもたちはたくさんのたべものの名前を知っていて、わかるものが見つかると大きな声で知らせてくれます。ラーメン屋さんチームは『ん』がつく食べ物ばかりなので、心配してくれている子もいました。

絵本の中のしりとり大会もキッズエンカレッジの子ども達も大盛り上がり!

そして、最後に出てきたのはラーメン屋さんの<ギョウザ>くん。

次は『ざ』のつくかた~?・・・・・・もう一回、「『ざ』のつくかた~~」、「いませんか~?」何度呼んでも誰も出てきません。

ということは・・・優勝はラーメン屋さんチームのギョウザくんに決まり♪

「おめでとう~!」こちらのお話しでも最後は子ども達から大きな拍手が沸き上がりました。条件が不利でも勝つこともあるんだね。と、お話しから少し勇気をもらいましたね。

お話し会が終わると、幼児クラスのお部屋に絵本と同じように「しりとり大会のおしらせ」の手紙が届いていたようです。これから子どもたちの間でどんなしりとり大会を楽しむのでしょうか。続きが楽しみですね。

お話し会での経験が、子どもたちのさらなる遊びにつながり、いろいろなことへの興味や関心へと広がっていく姿を嬉しく思います。今後も子どもたちにとってのかけがえのない経験となる保育活動を大切にしていきたいと思います。

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子どものアート・表現の会

12月25日(土)に子どものアート・表現の会を無事に開催することができました。

 今年は例年のクリスマス会から名称を変えて、子ども達がイメージをしたり、想像したりしていること、表現をしていることを“子ども達のアート作品”という形で展示や表現する場として、『子どものアート・表現の会』として行いました。

各クラスの子ども達が製作をしてきた作品を掲示する展示ブースと、当日に表現をするブースとして、まるで絵本の1ページのような大きな木枠のある空間に分かれて、子ども達のアート・表現をご覧いただきました。

それではここで、各クラスの取り組みについてご紹介させていただきます。

【0歳児いちご組】

0歳の子どもたちは日々五感を使って、様々な素材の感触を試して物の性質を自然に認知しています。保育室にも柔らかい布、固い積み木、ゴムホース、ボトル、しゃもじなど玩具以外の道具も用意されています。子どもたちは毎日、玩具や道具を使う事で探索遊びを通して、物の性質を分別しています。その中でも今、「積む遊び」に興味があります。この時期は「持つ・握る・つかむ」という運動発達も見られる事から「持つ・積む」遊びをしている子どもたちの遊んでいる姿と手先の表情をフォーカスさせて頂きました。月齢・個々の発達により、手先の動きも様々に見られます。ご家庭でもなかなか見られない可愛い手の動きを、今回じっくり御覧頂ければと考え、0歳児クラスの表現にさせて頂きました。

 【1歳児りんご組】 

<製作>りんご組では、シール貼りをしました。丸いシールを大中4色ずつ準備し、それぞれに紙に貼りました。シンプルな行為ですが、それぞれにドラマがありました。剥離紙からはがすことを大人に手伝ってもらっていた子が、自分でできるようになったことに気づき喜んだり、シールというものの性質を試していって、あ、こんなところにも貼れる、貼ったものをはがすこともできる、と気づいたり。もちろんすでに経験済みの子もいて、その子たちはとにかくたくさん貼りたい、とか、貼ったものを見て、「信号みたい」「あんぱんまん」などと見立てたり、とても集中して、夢中になって取り組んでいる姿がたくさん見られました。当日、貼ってあるものを見つけて、おうちの方に指をさしたり、何かお話している子もいました。その子が取り組んでいる様子を写真と一緒に、作品と一緒に飾らせてもらいました。それぞれの子の経過や、個性的な作品を見てもらい、活動している様子を伝えられたらうれしいです。

<わらべうた>いちご、りんご組は一緒に生活していることもあり、2クラス合同で♪でんでんむしのわらべうたをしました。当日までは、戸外遊びやテラスでの時間を中心に、子どもたちと歌ったり、一緒に歩いたりしました。りんご組の大きい子は、大人が歌いながら歩きはじめるとすぐに、自分たちでも手をつないで前庭中をくるくると歩き回ってあそんでいました。小さい子たちも大人と手をつないで、歌に合わせて一緒に歩いたり、大きい子たちがしているのを見ていて、そのうちに一緒に参加したりする姿がありました。いちご組のこどもたちも、りんご組があそんでいるのを見て真似をしたり、おとなに抱っこされながら歌に合わせて歩いて、うたの雰囲気を楽しみました。

当日は、保護者の方と一緒に参加しました。いつもと違う部屋でたくさんの人の中だったので、普段の様子を見てもらうことは難しかったようですが、おうちの方に抱っこされたり、手をつないだりして、ぐるぐる歩いて、途中でタンバリンをたたいたり、トンネルをくぐったり、お花の冠をかぶったり・・・。お楽しみポイントを通って進みました。最後は園長先生が歌う♪からすかずのこに合わせて、前の人のお尻をたたいて帰りました。親子でわらべうたの楽しさを感じていただける機会となったでしょうか。

【2歳児あんず組】

<製作>あんず組は様々な形のスタンプ遊びによる作品と立体物の製作による作品を作りました。いろいろな素材や形を組み合わせたスタンプ遊びでは、子どもたちはスタンプで押された形や模様を見て「○○みたい!」「○○できた!」などと、自分のイメージしたものに見立て想像力をふくらませながら楽しむ姿が見られました。立体物の製作では、牛乳パックやお菓子の箱、トイレットペーパーの芯などを組み合わせ、のりで貼り付けながら形を作っていきました。「これはママのお家だよ」「プリンセスのお城!」など、子どもたちがイメージしたものが出来上がるととても満足そうな表情が見られ、当日は作った作品をお家の人に見てもらいニコニコと嬉しそうでしたね。

<表現>「サンタさんとトナカイくん」ではお友達と一緒に手をつないだり回ったりしながら、サンタさんやトナカイさんになりきって踊りを踊っていた子どもたち。はじめはなかなか踊らなかった子、踊っている友達の様子を見ていただけの子、友達の踊りを見ていた子・・・と様々でしたが、子どもたちそれぞれが自分なりの参加の仕方で楽しんでいました。当日を迎えるまでの間、クリスマスにちなんだ絵本を読んだり話をしたりする中で子どもたちの中にそれぞれのクリスマスのイメージがふくらんだようで「サンタさんは赤い帽子をかぶってるんだよ」「トナカイさんのつのは大きいよ」「プレゼントをもってくるよ」などと、子どもたち同士で会話をする姿などが見られるようになりました。そして表現の会、当日はあんず組だけでなく、ハート組のお友達とも一緒に、自分なりのクリスマスのイメージを身体で表現することができ、その表現を“友達と共に行う”ということに喜びを感じている子ども達でした。

【3歳児ハート組】

<製作>幼児の12月の活動のテーマは「形」でした。生活の中で、運動遊びや室内にての構造遊びの中で「形」に触れていきます。また、お話し会を通じて、遊びの中で「形」への興味や意識が高まったようです。3歳児は紙コップを使って「立体」に触れ、大きい三角をつくったり、縦につなげたりと、構造が広がっていき、積み木を使った構造も試していくことが増えていきました。子どもの中でも自分で試していく中で「こうかな?」「できた!」など子ども達に気付きがみられました。

折り紙を使用して「三角ってどうやっておる?」と試していき、“角を意識”する経験をしました。

その中で、“三角サンタ”を折っていきます。「できた」と繰り返し折っていく中で紙コップのお城を作り、サンタクロースのお家やお店を見立てていました。構造していく中で子ども達の想像のストーリーが生まれていきます。「サンタさんのスーパーでおかいもの」など子どもたちはサンタさんの世界観を広げていきました。

<表現>ダンスの表現では“サンタクロースとトナカイくん”を行いました。

口ずさみやすく、参加もしやすい簡単なダンス、今回は2歳児さんと一緒に行いました。

ちょっとお兄さん、お姉さん気分になった3歳児の子どもたちは、「教えてあげたい」と意欲的な姿が見られ、2歳児さんとの交流も少しずつ達成していくことができました。

当日は多くの人の前やいつもとは違う緊張感がありましたが、それぞれに経験や自信につながる経過になったのではないかと思います。

【4・5歳児ダイヤ・クローバー組】

クラスの活動として、今回「形」ということをテーマに活動を行ってきました。

頭の中にあるイメージを形にしていく、捉えたことを見立てて自分の体を使って表現するということをねらいに、製作では「木っ端を使った製作」、表現ではダイヤ(年中児)は「やきとりじいさん体操」、クローバー(年長児)は英語を使った「What is in the bag?」の寸劇を行いました。

活動の最初は、形ということを遊びの中で子どもたちが自然と自分の興味で意識していけるように、外では「形鬼」(鬼が言った〇△□の形に逃げ込む)ことで遊んだり、途中からは少し内容を変えて鬼が言った形を探して見つけるなどしてきました。

室内ではいきなり木っ端などを使って遊ぶのではなく、積み木を使って形や積み方の組み合わせを試す中で、自分が作りたいもののイメージを膨らませたり、実際に立体にしていくことで出来上がる楽しさということを経験してきました。

そうした中で、子ども達が形の名前を口にしたり、積み木で出来上がったもので遊びを展開することで、クラスの中に形や立体物への興味ということが広がってきました。

その経過を踏まえて、いよいよ木っ端への製作に入っていきました。

実際に木っ端を出す段階では、まだボンドなど直接的に作る活動に入らず、この活動でもでもじっくり、木っ端ならではの不規則な形を組み合わせて遊ぶということに、時間をかけるようにしました。

まだ平面でしかできなかったり、本当は上に組み合わせていきたいところを、今できる中で工夫してみたりと木っ端自体を使うことを楽しみながら、木っ端を扱うことにも慣れてきました。

そうした経過を経て、いよいよ、ボンドを付けるなど製作パートに入りましたが、今までたくさん素材に触れ、作りたいイメージや実際に作ってみる経験をしてきたことで、まさに「芸術は爆発だ!」のごとく、どんどんと製作意欲が子どもたちの中から出てきて、共同で家を作る子、ロボットを作る子、何とも言えないイメージを形にしたものなど、途切れることなく日々作る姿が見られました。

そうした中で子ども達の作品を、子どものアート・表現の会で展示して見ていただけたことはよかったと思います。

表現パートは、ダイヤ(年中児)のやきとりじいさん体操は日々の中で、動きをやきとりにちなんだ物や実際にとりになりきって、体育的な動きと合わせて表現の経過を作ってきました。

鳥になりきることが楽しい子、見立てた動きを再現することが楽しい子など子どもたちが何に目的を持って表現しているかということは様々でしたが、子どもたち個々がイメージしたものを表現できていたのではないかと思います。

クローバーの「What is in the bag?」は英語の講師の先生にバッグに入れたい物の名前を聞くところから始まり、日常の遊びではインタビューごっこで「自分の好きな食べ物」や「何をしているときが楽しい?」など質問に自分の言葉で答えてみる経験をしてきました。

そうした中で、遊びでも質問に答えることに照れがあったり、英語の表現をするということが難しく感じている子もいましたが、日々一緒に確認したりすることで、少しずつ表現することへの自信が見えるようになってきた経過が子どもたちの姿にありました。

当日は、人前で行う緊張感がある中、日本語ではなく英語で表現してみるということと、自分が言うことを言いきれた経験は現在のクローバーの子たちには自信につながったのではないかと思います。

 子ども達は、各クラスでの活動の目的のもと経過を経て、当日素晴らしい表現、アートを見せてくれたと思います。

そして、会の最後には最後に大人たちも自分たちで表現の幅を広げることに努力するという意味でも、歌と合奏の表現を行いました。

スペシャルゲストに普段、課業で英語を教わっている講師の先生を招き、英語で「きよしこのよる」を披露していただきました。

声楽での本格的な歌声に会場が静寂に包まれ、参加していた子どもたち、保護者の方も聞き入っていました。

 そのあと職員の合奏による「素敵なホリデイ」行いました。上手い下手だけでなく大人たちの一生懸命さが少しでも伝わってくれたら幸いです。

 今年度も残すところ約2か月となりました。年長児には卒園式が控えています。今後も行事を通じて子どもたちの成長を、保護者の方にも、子どもたち自身にも感じてもらえる場として大切にしていきたいです。

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12月のお話し会

 今回のお話し会は、丸・三角・四角の扉の向こうに広がっている、形があるようでない世界ということを想像する、ということを文学の体験で感じ、目に見えないものに想像力を膨らませていく。という幼児のねらいと、お話の中で形ということに触れ、同じ形のもの、違う形のものということに興味を持ち、形にもいろいろな種類や仲間があるということに気付いてほしい、という今回初参加の2歳児に向けてのねらいを「形」というテーマで、2つお話しを行いました。

 1つ目の絵本はその名も「おなら」の読み聞かせです。

 この本でのポイントは、形はないけど音やにおいではわかる、目には見えていない、でも確かに存在している、ということを「おなら」ということを通じて、実は「空気」というものの不思議も感じながら「形のないもの」への興味につながってほしいということでこの題材になりました。

 もう1つは形をテーマにしたお話し「3つの扉」。脚本、演出はオリジナル。「どんな形か」「形は必要性によっていろいろに変わっていく」ということを様々な食べ物が形を変えて出てくるという、ファンタジーのお話しです。

 おならのお話で子どもたちは最初のゾウのお尻の絵と、ゾウのおならの「ぶおぉーん!」

という音の印象から、想像通りの反応「くさいー」「おなら大きい」が子どもたちの中から聞こえてきました!みんな、経験あるものねぇ~。
 

 お話の中で、おならは口から入る「空気」であること、人間のおならは一回で約100mlのおならが出て、1日500mlのおならが出てしまうということなど、少し数や科学的な内容になると「おーそうなんだ」「空気って知ってるよ」と子どもたちが、思い思いに捉えたことが、表情からも読み取れました。

 最後の方に出てきた「くさいおなら」と「くさくないおなら」があるのはなぜか?という場面になると、肉や卵などばかり食べているとくさい、野菜や豆、イモなどを食べているとくさくないということがわかると、なぜかその日の食事は「○○ちゃん人参食べてるから」と必死に野菜を食べていますアピールをする子が増えました。

 食事中に大々的にする話ではありませんが、野菜や豆なども食べないとおならがくさくなるということも立派に食事を食べる動機になるんだなということを子どもたちが表現してくれました!

 次に「3つの扉」のお話しです。

〇△□の形の扉が現れると、メロン君が中心となり、様々な形の食べ物が現れてくる内容です。

 しかし、出てくるクッキーやおにぎり、スイカたちは自分の形がわからなくて、その時々の切り方によって形が変わってしまうことに困っているという展開です。

 表現やアートの会までの日々の積み重ねの活動の中で形ということを通じて、立体への認知や形を使って何かを作るということに意識を向けて活動していました。

 そうしたこともあり、扉と同じ形を見つけるのも早く、「角が四つで何になる」という投げかけに対しても、自然と「四角だよ」というように認識していることを表現しながらお話の世界観を楽しんでいました。

 形のお話を通じて、子どもたちなりに形の特徴の概念に触れたり、「食べ物などは必要によって形が変わることもある」ということを今回感じてくれたのではないかと思います。

 そして、その日の午後は、給食さんに協力していただき、おやつはなんと「△おにぎり」「○おにぎり」の2つの形で提供していただきました。

 形によって印象や味に変化があるのか、どちらが食べやすいのかなど実際に食べる場面でも体験しながら、食育にも通じるとても興味をそそるおやつでした。

 子どもたちに味の感想を聞くと「まるの味がする」や「おにぎりおいしい!ねえ、おにぎりはなんていってる?」と先生が演じていたから、おにぎりに聞いてみてというニュアンスで、子どもたちの中には擬人化されたおにぎり君が住んでいる様子もうかがえました。

 今回形ということを通じて、お話会を展開していったことで、その後の製作にも意欲的に参加しイメージを膨らませて、作りあげていくことの楽しさを感じられたのではないかと思います!

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11月のお話し会

11/19(金)にお話し会をしました。

今回のお話し会では、前月からの継続で詩の世界に触れていくということをねらいの一つにしています。
言葉を意識して使えるようになってきた子どもたちに、詩の中に出てくる言葉から登場人物と詩の背景を想像しながら聞いていくという経験を継続していってほしいという願いから、今回も一つ詩を題材に選びました。

もう1つのお話は、今月、幼児クラスは“日常の中にある数”をテーマに活動を行ってきたことをもとに、数にまつわるお話です。遊びの中ではではサイコロを使った活動や、ピザ屋さんごっこをしながら、「等分」という概念に触れてきたこともあり、数に対しての子どもたちの意識を、「お話」という物語の中で数の概念に触れることで、自然に数を意識しながら学んでほしいという意図で選んだ題材です。

今回のお話は…パネルシアターで、詩『どうぶつたちのぱんやき』『ひとつぶのおこめ』

最初の詩、『どうぶつたちのぱんやき』は、簡単な絵のみのパネルシアターを使用しました。

登場人物は動物たち。

カラスが稲を刈り、きつねが集め、のみが車に積み、猫が三匹でふるって粉にして、ロバが水を汲み、めうしがこねてかまどにいれて、くまが待っていて、めんどりがぱんをつつき、ありがパンくずを拾う…と様々な動物たちがパンを焼き上げるまでの工程を現した詩です。

最初はなんだろうと聞いていた子どもたちですが、聞き覚えのあるフレーズに気付き、5歳児は先日ピザづくりを実践で体験していたことから「知ってる!」と、ピザ生地の作る工程に似ていることに注目をしていました。

質問が終わってから、子ども達に、「カラスは何してた?」「くまは何していた?」など質問をすると、子ども達からは「稲を刈ってる」「パンを焼けるのを待ってた」と詩の内容がしっかり認識されていました。

大人から見ると、長さとして幼児には決して短くはない詩の内容でしたが、今までの積み重ねもあり、「もう終わったの」と体感としては短く感じたようです。

「お話を聞く」ということの集中力や興味の持続ということができるようになってきたのですね。

2つ目のお話は『ひとつぶのおこめ』です。

今月は活動の中で数にまつわる活動を行ってきたこともあり、数に対しての興味関心が高まってきたタイミングで、概念としては少し難しいのですが「倍になる様」が表現されている文学を行いました。

お話しの内容は、インドの昔話でお米が増えていく様が表現されています。

ある地方に一人の王様がいました。村の人たちが作ったお米のほとんどは王様に召し上げられていました。「飢饉のとしが来たときはしまっておいたおこめをみんなにわけあたえる」と王様は約束していました。

ある国の王様が村に飢饉がきたのに、米蔵の米をひとり占めにしようとしている様子に賢い村娘のラーニが、最初はたったの1粒から「前の日の倍の数の米をもらう」という約束を王様にしてもらい、とうとう米蔵の米を全て村人に分けることができたというお話です。

子どもたちは「倍になる」という意味がわからないので、最初の1粒では「えー、それだけ~?」という反応・・・ そうだよね。たった1粒のお米はとても少なくて、もらってもね(笑)

だけど、2粒、4粒、8粒、16粒・・・ あれ?あれ?どんどん増えていく~!

だんだんと、日が進み、数の単位が「一万何千何百何十何粒」となっていくと「おー!」という歓声があがりました。実数としてその数がどのくらいかということは、まだ認識としてはない子どもたちですが、なんだかいっぱいになっているということは感じているようです!

最終的には「三億何千何百何十何粒」という桁違いの大きさに「えー!」「そんなにー!!」と、とにかく数が倍に倍になっていくと、すご~くいっぱいになるという様は子どもたちには十分に伝わったようでした!

お話会後は、さっそくパネルを使って、お米パネルを並べたり、全部でいくつというように、数にまつわる遊びをすぐさま展開している子どもたちでした。

お話を通じて行ったのは数ですが、算数として教わったり、教え込まれるものではなく、遊びや文学、活動の中で、概念としてそういったものがあると楽しんで、自分から興味を持って学ぶということが、幼児期の子どもたちが学びの入り口に立つ上で大事なんだなということを、私たち大人も改めて子どもたちの姿から感じたことです。

その気づきが、普段あまり気にしていなかった寒天の数を数えたり、数が少ないからと半分にすると(量は変わりませんが総体の数は増える)数が増える、と本人は気付いていませんが分数の概念を実はやっているというような姿につながっています。

学ぶこと、知ること、そしてわかることが楽しい、嬉しい! そんな経験を幼児期にたくさん味わってほしい!という私たち保育者の願いも届いたようです。

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