11月のお話し会

2021年11月19日 Kids Encourage 0 Comments

11/19(金)にお話し会をしました。

今回のお話し会では、前月からの継続で詩の世界に触れていくということをねらいの一つにしています。
言葉を意識して使えるようになってきた子どもたちに、詩の中に出てくる言葉から登場人物と詩の背景を想像しながら聞いていくという経験を継続していってほしいという願いから、今回も一つ詩を題材に選びました。

もう1つのお話は、今月、幼児クラスは“日常の中にある数”をテーマに活動を行ってきたことをもとに、数にまつわるお話です。遊びの中ではではサイコロを使った活動や、ピザ屋さんごっこをしながら、「等分」という概念に触れてきたこともあり、数に対しての子どもたちの意識を、「お話」という物語の中で数の概念に触れることで、自然に数を意識しながら学んでほしいという意図で選んだ題材です。

今回のお話は…パネルシアターで、詩『どうぶつたちのぱんやき』『ひとつぶのおこめ』

最初の詩、『どうぶつたちのぱんやき』は、簡単な絵のみのパネルシアターを使用しました。

登場人物は動物たち。

カラスが稲を刈り、きつねが集め、のみが車に積み、猫が三匹でふるって粉にして、ロバが水を汲み、めうしがこねてかまどにいれて、くまが待っていて、めんどりがぱんをつつき、ありがパンくずを拾う…と様々な動物たちがパンを焼き上げるまでの工程を現した詩です。

最初はなんだろうと聞いていた子どもたちですが、聞き覚えのあるフレーズに気付き、5歳児は先日ピザづくりを実践で体験していたことから「知ってる!」と、ピザ生地の作る工程に似ていることに注目をしていました。

質問が終わってから、子ども達に、「カラスは何してた?」「くまは何していた?」など質問をすると、子ども達からは「稲を刈ってる」「パンを焼けるのを待ってた」と詩の内容がしっかり認識されていました。

大人から見ると、長さとして幼児には決して短くはない詩の内容でしたが、今までの積み重ねもあり、「もう終わったの」と体感としては短く感じたようです。

「お話を聞く」ということの集中力や興味の持続ということができるようになってきたのですね。

2つ目のお話は『ひとつぶのおこめ』です。

今月は活動の中で数にまつわる活動を行ってきたこともあり、数に対しての興味関心が高まってきたタイミングで、概念としては少し難しいのですが「倍になる様」が表現されている文学を行いました。

お話しの内容は、インドの昔話でお米が増えていく様が表現されています。

ある地方に一人の王様がいました。村の人たちが作ったお米のほとんどは王様に召し上げられていました。「飢饉のとしが来たときはしまっておいたおこめをみんなにわけあたえる」と王様は約束していました。

ある国の王様が村に飢饉がきたのに、米蔵の米をひとり占めにしようとしている様子に賢い村娘のラーニが、最初はたったの1粒から「前の日の倍の数の米をもらう」という約束を王様にしてもらい、とうとう米蔵の米を全て村人に分けることができたというお話です。

子どもたちは「倍になる」という意味がわからないので、最初の1粒では「えー、それだけ~?」という反応・・・ そうだよね。たった1粒のお米はとても少なくて、もらってもね(笑)

だけど、2粒、4粒、8粒、16粒・・・ あれ?あれ?どんどん増えていく~!

だんだんと、日が進み、数の単位が「一万何千何百何十何粒」となっていくと「おー!」という歓声があがりました。実数としてその数がどのくらいかということは、まだ認識としてはない子どもたちですが、なんだかいっぱいになっているということは感じているようです!

最終的には「三億何千何百何十何粒」という桁違いの大きさに「えー!」「そんなにー!!」と、とにかく数が倍に倍になっていくと、すご~くいっぱいになるという様は子どもたちには十分に伝わったようでした!

お話会後は、さっそくパネルを使って、お米パネルを並べたり、全部でいくつというように、数にまつわる遊びをすぐさま展開している子どもたちでした。

お話を通じて行ったのは数ですが、算数として教わったり、教え込まれるものではなく、遊びや文学、活動の中で、概念としてそういったものがあると楽しんで、自分から興味を持って学ぶということが、幼児期の子どもたちが学びの入り口に立つ上で大事なんだなということを、私たち大人も改めて子どもたちの姿から感じたことです。

その気づきが、普段あまり気にしていなかった寒天の数を数えたり、数が少ないからと半分にすると(量は変わりませんが総体の数は増える)数が増える、と本人は気付いていませんが分数の概念を実はやっているというような姿につながっています。

学ぶこと、知ること、そしてわかることが楽しい、嬉しい! そんな経験を幼児期にたくさん味わってほしい!という私たち保育者の願いも届いたようです。

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